OM-1

写真家 佐藤 岳彦 × OM-1~昆虫から野鳥まで、「小さな巨人OM-1」で多様な生命を捉える~

掲載日:2022年4月20日

佐藤 岳彦

1983年 宮城県生まれ。写真家。日本・世界各地を旅し生命を見つめている。写真集に『密怪生命』(講談社)、『生命の森 明治神宮』(講談社)、『変形菌』(技術評論社)があり、『ナショナル ジオグラフィック』などでも作品を発表している。2018年 日本写真協会賞新人賞、2019年 ドイツの国際写真賞 Horizonte International Photo Awardを受賞。
佐藤岳彦オフィシャルサイト:https://mothnake.wix.com/takehikosato

デジタル一眼カメラ

OM-1

交換レンズ

M.ZUIKO DIGITAL
ED 60mm F2.8 Macro

交換レンズ

M.ZUIKO DIGITAL
ED 12-40mm F2.8 PRO

交換レンズ

M.ZUIKO DIGITAL
ED 300mm F4.0 IS PRO

交換レンズ

M.ZUIKO DIGITAL
ED 150-400mm
F4.5 TC1.25x IS PRO

どこにでも、どこまでも

OM-1を手に沖縄の森を旅した。亜熱帯の鬱蒼とした密林を、生命の気配を探りながら、蛇のように這いまわる。足元では蟲たちがひっそりと輝き、夜の沢の闇には蛙や蛇が佇む。頭上の木々では鳥たちがさえずり、茂みの奥からはイノシシが飛び出してきた。

森は多様な生命に満ちている。その全てを捉えたい私にとって、まずカメラシステムは「コンパクトでタフ」でなければならない。「どこにでも、どこまでも」持ち歩ける軽さと強さが無ければ、自然の中を歩き回りながら様々な生きものたちを撮影することは難しい。そんな大前提をOM SYSTEMは軽やかに叶えてくれる。OM-1はOM-D E-M1シリーズ同様の小型軽量でありながら防塵・防滴性能はIP53にアップ。今までも強かったが、さらに強く。今回の旅でも雨や川で濡れてしまったが、全く問題は無かった。持ち歩くレンズは焦点距離14mmから2000mm相当[※]。焦点距離と撮影倍率がフルサイズ機に比べて2倍になるというセンサーサイズの恩恵を受けて圧倒的にコンパクト。おかげで、森をどこまでも歩きながら、小さな蟲のマクロ撮影も、遠くに舞う鳥の超望遠撮影も両立できてしまう。

アカウラカギバの表情をそっと切り撮る。OM-1もM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroも非常にコンパクトなので相手を驚かせることなく、低い位置から同じ目線で撮ることができる。小さな生きものの撮影ではとても大切なこと。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro/120mm相当[※]/1/60秒/F11/ISO 200/-0.7EV

毒蛇ハブの危険な美に迫る。足場の悪い沢で慎重に接近しながら、右手でカメラを構えつつ、左手にフラッシュを持ち斜め上からスレーブ発光。機材が重いとなかなかこうはできない。小型軽量なシステムだから可能な柔軟な撮影。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO/76mm相当[※]/1/60秒/F7.1/ISO 800/-3.0EV

ふと見上げた林冠。土だらけのM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 MacroからM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROに付け替え、シルエットを楽しみながらシャッターを切る。信頼のダストリダクションシステムのおかげで気軽にレンズ交換できるのもフィールド撮影ではありがたい。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO/36mm相当[※]/1/1000秒/F5.6/ISO 200/-0.7EV

近くの木にカンムリワシが舞い降りた。素早くM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO + テレコンバーターMC-14(1400mm相当[※])を手持ちで構え表情を捉える。小型軽量、進化した高感度画質、強力な5軸手ぶれ補正のおかげで今回の旅は三脚いらず。驚くほど軽快に撮影できた。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO + MC-14/1400mm相当[※]/1/500秒/F8.0/ISO 1000

沢で出会ったアオミオカタニシ。水際の低い位置からの撮影で、気が付けばカメラはずぶ濡れだったが、防塵・防滴性能のおかげで全く問題は無い。濡れることを気にしなくてよいので、撮ることに集中できる。心置きなく蒼い螺旋に吸い込まれる。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro/120mm相当[※]/1/80秒/F2.8/ISO 500/-1.7EV

「コンパクトでタフ」+「高性能・高画質」

もちろん、「コンパクトでタフ」なだけではない。OM-1の登場は、このシステムの強みをさらなる高みに押し上げてくれる。今回まず感じたのが、新画像処理エンジン TruePic Xと新開発の裏面照射積層型 Live MOS センサーによる、高感度画質の大きな進化だ。暗い林内では感度ISO 200を使う感覚で感度ISO 2000を基本設定にし、そこから必要に応じて感度を上げることができた。さらに、強力な手ぶれ補正機能も加わるので、マクロも超望遠も撮影は全て手持ち。三脚がいらないので、瞬発力を生かした自由な撮影ができる。そして、驚いたのがAF。1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルのAF方式で、カバー率100%の新AFは、一瞬のチャンスも暗いシーンも高速、高精度に被写体を捉え続けてくれた。

薄暗い林内で煌めくナナホシキンカメムシ。高感度画質の進化により、暗所では感度ISO 2000を標準感度に設定し、そこから状況によって感度を上げつつ撮影。高感度でも、妖艶な輝きや表面構造を繊細に写し出してくれた。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro/120mm相当[※]/1/60秒/F4.5/ISO 2000/-1.0EV

合成時間が短縮された、深度合成機能も優秀。顔の表情や胸部表面の質感は深度合成でしっかりと描写しつつ、絞り値はF3.5に設定し背景をぼかす。絞り切れない暗所でも、思いのままにピントの深さをコントロールできる。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro/120mm相当[※]/1/60秒/F3.5/ISO 1600/-0.7EV/深度合成機能

密林に佇むズグロミゾゴイ。夕方の薄暗い林内だったが、急斜面かつ枝が入り組んでおり三脚は立てられない。手持ちで位置を微調整しながら、木々の隙間を縫って何とかシャッターを切った。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO/800mm相当[※]/1/160秒/F4.5/ISO 2000/-1.0EV

突如飛来し、一瞬で飛び去ったクロアゲハ。大幅に進化したAFは、狙った後翅赤紋を瞬時に捉え、正確にピントを合わせてくれた。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO/600mm相当[※]/1/1000秒/F4.0/ISO 800/-1.7EV

暗い沢を見つめる。低輝度限界 –8EVを実現したAFは、暗いシーン、低コントラストの状況でも高精度にフォーカスが可能。ゆらぎの中の光と闇にも合焦してくれた。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO/24mm相当[※]/1/320秒/F2.8/ISO 800/-1.7EV

警戒心が強く、なかなか近寄れなかったアオタテハモドキ。M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROにテレコンバーターMC-20を付け、1200mm相当[※]で撮影。テレコンバーター装着後もAFは快調で、ストレス無く撮影できた。また、超望遠レンズを装着しているにも関わらず、システム全体で約1.9kgと驚くほど軽い組み合わせなので、長時間の手持ち撮影でじっくりと向き合えた。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20/1200mm相当[※]/1/500秒/F9.0/ISO 400/-0.3EV

今回の旅でOM-1に感じたことは、多様な生命を縦横無尽に撮れる「コンパクトでタフで高性能」なフィールド・カメラということ。この野生溢れる小さな巨人となら、底知れぬ自然の宇宙を、より広く、より深く、より自由に見つめることができるだろう。さあ次はどこへ行こうか。共に歩くのが楽しみでならない。

※ 35mm判換算 焦点距離

ギャラリー

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製品紹介

OM-1

新開発のデバイスと最先端のデジタル技術を結集し、センサーサイズの常識を覆す高画質を実現。また従来機種を大きく上回るAFや連写性能など、基本性能も大幅に進化した「OM SYSTEM」カメラのフラッグシップモデルです。

M.ZUIKO DIGITAL
ED 60mm F2.8 Macro

解像力とコントラストの高さに秀でた防塵・防滴性能の等倍[※]マクロレンズです。遠方から1:1等倍のマクロ撮影まで、また画面中心から周辺まで高解像・高コントラストを維持し、絞り開放から鮮鋭な描写力を実現。ネイチャーマクロはもちろん風景やポートレートなど幅広い用途で活躍します。

M.ZUIKO DIGITAL
ED 12-40mm F2.8 PRO

防塵・防滴・耐低温性能を備えた、ズーム全域F2.8の大口径レンズです。フォーサーズレンズのハイグレード(HG)シリーズを超える光学性能を実現しました。「MFクラッチ(マニュアルフォーカス・クラッチ)機構」や、全域で撮像面から20cmまでよれるマクロ性能など、充実の機能を搭載しています。

M.ZUIKO DIGITAL
ED 300mm F4.0 IS PRO

高い光学性能と小型軽量、防塵・防滴・耐低温-10℃性能が実現する圧倒的な機動性により、苛酷な環境でも傑出した画質を提供する超望遠PROレンズです。ボディー内5軸手ぶれ補正機構と協調させる「5軸シンクロ手ぶれ補正」を搭載し優れた機動性と相まって、今まで難しかった超望遠域での手持ち撮影が可能となります。2倍のテレコンバーターMC-20と組み合わせれば1200mm相当の超望遠レンズとして使用できます。

M.ZUIKO DIGITAL
ED 150-400mm
F4.5 TC1.25x IS PRO

究極の超望遠性能を追求して開発したハイスペックなPROレンズです。プロの要求に応える解像性能をズーム全域で実現したうえ、最大8段分の高い補正効果を発揮する世界最強の5軸シンクロ手ぶれ補正にも対応。1.25倍のテレコンバーターを本体に内蔵し、最大1000mm相当[※]での超望遠手持ち撮影を可能にしています。

※ 35mm判換算