OM-1

写真家 喜多 規子 × OM-1~ファインダー越しの世界をそのまま画にしてくれる信頼のシステム~

掲載日:2022年3月9日

喜多 規子

東洋英和女学院大学卒。写真家、前川彰一氏に師事。日本国内の自然風景をテーマに光・色・フォルムを巧みに操り表現する。
アマチュア時代、多数のカメラ誌の月例コンテストにてグランプリや年度賞を受賞し、2019年よりフリーとして活動を始める。同年、個展『MOMENT』富士フイルムフォトサロン東京・大阪・名古屋・福岡・札幌開催。
写真集『 MOMENT 』(文一総合出版)を出版。2020年『栞-four seasons-』オリンパスプラザ東京・大阪(現 OM SYSTEM PLAZA)開催。
公益社団法人 日本写真家協会会員・公益社団法人 日本写真協会会員
https://www.norikokita.com

信頼できる高解像電子ビューファインダー

最初にOM-1を手に取って最も驚いたのは、グリップのフィット感や操作性はもちろんのこと、ファインダーを覗くと、従来よりめざましく進化を遂げたことが挙げられます。

電子ビューファインダーは576万ドットの有機ELで、ファインダーがとても鮮明かつ細部まで良く見えるようになりました。雲間から一瞬だけ顔を出してくれた朝陽に輝くブナの樹海を目で見た感動のままに、ファインダー越しでもシャッターが切れる感覚が嬉しいです。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO/96mm相当[※]/1/6秒/F5.6/ISO 400

日没後の薄暗い時間帯では、ISO感度と絞りとシャッタースピードを調整すると明るくすることができるので、細部までよく見えることで丁寧にフレーミングすることができ、肉眼で見えない世界を表現してくれます。また防曇処理も施されているので、湿気の多い環境でも安心して撮影に集中できます。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/76mm相当[※]/1.6秒/F4.0/ISO 800

高画質な描写力

新開発の裏面照射積層型 Live MOSセンサー&新画像処理エンジンTruePic X(トゥルーピック エックス)によって高画質な描写力を実現し、より豊かな諧調表現を可能にしてくれました。

等倍にすると従来との違いに驚きました。また真っ青な空に初冠雪した山は、ヌケが良くクリアに描写してくれ、澄んだ空気感を感じました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/36mm相当[※]/1/80秒/F5.6/ISO 200

またOM-1では常用ISO感度がデフォルトで最大25600となっており、ノイズ耐性にも優れていると感じました。水の揺らぎを表現したかったので、ISO感度を1600に上げて高速シャッター速度で撮影したところ、今までにない解像感で水の質感まで再現してくれました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/60mm相当[※]/1/500秒/F4.0/ISO 1600

様々なシーンで対応する機動性

OM SYSTEMはレンズを含めシステム全体で小型軽量なので、足場の悪い山道や渓谷でも気軽に持っていけるのがとても重宝しています。また長時間ハードに動き回っても体力が温存でき撮影に集中できるのもメリットです。さらにIP53対応の防塵・防滴・耐低温-10℃なので雪が降り続いている時に濡れても安心して撮影できました。(防塵・防滴・耐低温対応レンズとの組み合わせが必要です)

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/80mm相当[※]/1/320秒/F4.0/ISO 1600

また橋の下の風景を俯瞰して撮影したい時には、欄干に三脚を立ててカメラを真下に向けるのですが、小型軽量なシステムなので、三脚との重心バランスもよく、落下の恐れを心配することなく安全に撮影が出来るのも嬉しいです。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/24mm相当[※]/1/2秒/F5.6/ISO 200

表現力が拡がる「コンピュテーショナル フォトグラフィ」

「8000万画素三脚ハイレゾショット」と、「5000万画素手持ちハイレゾショット」機能

ハイレゾショットとは撮像センサーを精密に移動させながら複数回の露光を行い、それを1枚に合成することができる機能です。三脚ハイレゾショットは8000万画素相当、手持ちハイレゾショットでは5000万画像相当の高精細な画像を生成してくれるありがたい機能です。岩や氷など動かない被写体や風がない時に使うようにしています。

小雨降る早朝の森の中では霧が立ち込めてました。風がなかったのでブナの木の幹にピントを合わせて、8000万画素三脚ハイレゾショットで撮影しました。高精細な画像が生成され、細かい枝振りや葉っぱ、さらに水滴までが繊細に描写されていました。また霧のグラデーションの滑らかな諧調によって、表現したかった早朝の森の空気感と奥行きを表現することができました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/56mm相当[※]/1.3秒/F5.6/ISO 200/+0.7EV/8000万画素三脚ハイレゾショット

三脚を使うことが難しい水面すれすれで撮影するシーンでは、5000万画素手持ちハイレゾショットを使うと三脚を使わないのでフレーミングの微調整が即座に行えます。また速いシャッター速度に設定したい為、ISO感度を上げて撮影しても、高解像かつノイズの少ない画像が得られるのがメリットです。また新画像処理エンジンにより撮影後の処理時間も大幅に短縮されたことも嬉しい点です。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/172mm相当[※]/1/20秒/F5.6/ISO 400/5000万画素手持ちハイレゾショット

「ライブND」機能

NDフィルターをわざわざ持ち歩かなくてもカメラ内のライブND機能によって滝や川の流れをスローシャッターで表現できるとても便利な機能です。OM-D E-M1XやE-M1 Mark IIIではライブND2/4/8/16/32の5段分の減光まででしたが、OM-1よりライブND64が加わり、6段分の減光が可能になりました。

さらに1段分減光できることによって日中の明るい時間帯でもスローシャッターで切れるのでより便利になりました。また、背面液晶モニターでライブシミュレーションを確認することができるので、的確なシャッタースピードが分かり失敗がなくなりました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/58mm相当[※]/2.5秒/F5.6/ISO 200/ライブND(ND64)

<比較>1/20秒/ライブND(ND無)

<比較>1/10秒/ライブND(ND2)

<比較>1/5秒/ライブND(ND4)

<比較>1/3秒/ライブND(ND8)

<比較>1/1.6秒/ライブND(ND16)

<比較>1秒/ライブND(ND32)

比較するとND64に設定した時、滝壺の流れが放射状に描写され一番綺麗でした。

「深度合成」機能

ピント位置を変えて何枚かの写真を撮影してカメラ内合成することで手前から奥までピントのあった写真を作り出す機能で、被写界深度の深い写真を撮影したいときにとても便利な機能です。

<深度合成あり>OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/132mm相当[※]/1/6秒/F5.6/ISO 200

<深度合成なし>OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/132mm相当[※]/1/6秒/F5.6/ISO 200

例えば、足元を俯瞰して撮影する場合でも、氷の表面が凸凹しているため、どうしても均一にピント合わせが難しい場合でも、深度合成機能を使うことによって全体にピントが合う作品に仕上げることができました。

新型のM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO IIが仲間入り!

逆光性能の進化!

定評のある解像力に加え、ゴースト・フレアを最小限に抑制することで逆光でも抜けの良い描写を実現してくれます。

自然風景の撮影では朝陽や夕陽を入れてドラマチックに表現することが多いのですが、最新のレンズ製造技術によりフレアが低減されよりヌケの良い描写となりました。またコーティングによる逆光耐性の改善も行われたため、太陽を入れて撮影ができるのは嬉しい点です。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/24mm相当[※]/1.3秒/F5.6/ISO 200

ズーム全域で最短撮影距離20cm

ズーム全域で最短撮影距離が20cm、さらに望遠端では最大撮影倍率が0.6倍[※]なので、望遠マクロ的な撮影が可能です。

望遠端側で、葉っぱの葉脈と苔に付着した水滴にピントが合うよう、手持ちで接近して撮影しました。まさにマクロレンズを使ったかのような表現ができるのは驚きでした。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/80mm相当[※]/1/50秒/F4.0/ISO 400/+0.3EV

落ち葉にうっすら雪が積もった後、あられが降ってきたので、手持ちで最短撮影距離まで俯瞰して小さい足元の小さな世界を切り撮りました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/76mm相当[※]/1/13秒/F4.0/ISO 400

普段は、高倍率で便利なM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROの出番が多く、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROは、星景写真を撮影する際に使用することが多かったのですが、解像力や逆光性能、マクロ的な撮影ができるので、今後は標準ズームのメインレンズになりそうです。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II/64mm相当[※]/1/800秒/F5.6/ISO 800

最後に・・・

スペック面で大きな進化を遂げたOM-1ですが、ボディーデザインも細かいところまで改良されています。グリップが深く持ちやすくなり、ボタンの配置や大きさなども変更されました。またメニュー画面も色分けされて見やすくなり、操作しやすくなりました。さらにバッテリーの持ちも良くなり、過酷な環境下でも今まで以上に信頼して撮影に集中できるようになりました。スペック面とデザイン性が強化されたボディと、新レンズの開発により、今後もOM SYSTEMのブランド力を支えていくものだと期待します。機動性を生かしてどこにでも持ち歩くことができ、目で見た感動をファインダー越しにそのままシャッターが切れるという喜びを肌で感じることができるカメラだと実感しました。新しい相棒とまた次の旅に出かけ作品創りをするのが楽しみです。

※ 35mm判換算 焦点距離

ギャラリー

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製品紹介

OM-1

新開発のデバイスと最先端のデジタル技術を結集し、センサーサイズの常識を覆す高画質を実現。また従来機種を大きく上回るAFや連写性能など、基本性能も大幅に進化した「OM SYSTEM」カメラのフラッグシップモデルです。

M.ZUIKO DIGITAL
ED 12-40mm F2.8 PRO II

ズーム全域F2.8、最新技術によって進化した高画質標準ズームレンズ。最大撮影倍率0.6倍(35mm判換算)のマクロ撮影も可能です。

M.ZUIKO DIGITAL
ED 12-100mm F4.0 IS PRO

高画質・高倍率・小型ズームレンズであることを目指して、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」は設計・開発されました。世界最強6.5段の「5軸シンクロ手ぶれ補正」を実現。プロ写真家の欲求に応えるプロフェッショナル高倍率ズームの誕生です。

M.ZUIKO DIGITAL
ED 40-150mm F2.8 PRO

どんな状況下でも常に高画質を提供するプロフェッショナルレンズ。それが、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROです。F2.8の明るい絞り値のまま35mm判換算80mmから300mmの焦点距離をカバーし、驚異的な解像力とやわらかな円形ボケで美しい画像 を得られます。