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連写&AF

最高18コマ/秒のAF/AE追従連写を実現できた理由やAF設定の使い分けなどをくわしく解説します。あわせて、10コマ/秒(1/32発光比において)の連写に対応した大光量フラッシュFL-900Rを開発した狙いや製品特長もご紹介します。

AF担当
菊地 哲央

フラッシュ担当
濱田 敬

基本設計をゼロから見直すことでAF/AE追従最高18コマ/秒の高速連写を実現

菊地:E-M1 Mark IIではAF/AE追従で最高18コマ/秒という高速連写を実現できましたが、その速度を達成するにはかなり苦労しました。連写中はいろいろな機能が並列で動いています。オートフォーカスや測光はもちろんのこと、イメージセンサーを動かしながらオートホワイトバランスなどの処理もしなければなりません。撮影そのものの取りまとめに加えて、ユーザーインターフェースも動いています。それらが複雑に絡んでいるところをゼロから作り直すというやり方で、最高18コマ/秒という連写速度を成り立たせています。

基本設計から全部見直し、複雑なところはすべて整理しました。細かい処理についても10μsec単位の時間で切り詰められるところは切り詰めています。E-M1 Mark IIの18コマ/秒連写は、AF/AE追従しながら、かつライブビュー表示も続けながら行えるのが大きな特長です。AF/AE追従での連写速度は、ファインダー内蔵型のデジタル一眼レフやミラーレス一眼としては最速(2016年11月現在)になります。サッカーのゴールシーンなど決定的な瞬間を撮るのに最適な機能ですので、ぜひ積極的に使っていただければと思います。

ローリングシャッター歪みを抑える性能向上を実現

AF担当 : 菊地 哲央

菊地:最高18コマ/秒の連写は電子シャッターでの撮影になりますので、ローリングシャッター歪みの発生を気にする方もいるかと思いますが、E-M1 Mark IIでは、E-M5 Mark IIと比べて幕速が約3倍の速さになっており、歪みについてはプロの写真家からも実用レベルとコメントをもらっています。サッカーや自動車を撮っている限りでは歪みは気にならないですし、積極的に使っていただけると思います。主要被写体を追い続けるような撮り方であれば問題なく利用できると自信を持っています。

一眼レフを超えるためにAFアルゴリズムを一新

菊地:E-M1 Mark IIではオートフォーカスのアルゴリズムを一新し、追従性を上げることができましたが、そのきっかけになったのが2013年に発売したE-M1です。ネイチャー系の写真家などいろいろな方から「E-M1のオートフォーカス性能はまだまだ改善の余地がある」というご指摘をいただけたのが大きかったですね。それによって、そうしたユーザーの声を聞きながら、エンジンなどのハードウェアや制御に対する仕込みを十分に行うことができました。

E-M1ユーザーの声に応えるには、ハードウェアの性能を上げる必要がありましたし、アルゴリズムも見直さなければなりませんでした。ハード面では、像面位相差AFセンサーを121点に増やし、すべてクロス測距にすることで測距精度が格段に向上しました。測距精度が飛躍的に上がったため、予測制御を積極的に取り入れられるようになりました。予測制御が高まったことで、主要被写体なのか背景なのかを判別する能力も向上しています。

縦線/横線のクロス検出に対応する121点オールクロス像面位相差AFを採用

AF追従能力が飛躍的に進化

菊地:E-M1 Mark IIは、静止画撮影時のC-AFや追尾AF(C-AF+TR) において、瞬時にボケ量を検出可能な位相差AFのみで動作するようになったこともE-M1からの大きな進化です。この進化により、様々なスポーツシーンで主要被写体にピントを合わせ続けることができるようになりました。また、主要被写体をAFエリア内に捉え続けることが難しいシーンでは、性能が向上した追尾AF(C-AF+TR)をお使いいただくのもおすすめです。

なお、マイクロフォーサーズ用レンズでのS-AFについては、基本的にはコントラストAFで動作するようになっていますが、コントラストAFが発動する直前まで、ファーストレリーズを押していない間は位相差AFを使って情報を取るようにしています。位相差AFの情報を手がかりとして使うことで、コントラストAFでのピント抜けを改善しています。こうした工夫もあって、S-AFのコントラストAFの動作についても、従来以上に安定していることが体感できると思います。

グループ5点のAFターゲットモードを追加し、さらに使いやすく進化

菊地:E-M1 Mark IIにはAFターゲットモードとしてグループ5点を追加しました。従来からあるグループ9点との使い分けですが、動体撮影でC-AFを使う場合は、グループ9点をメインで使っていただくのが撮影しやすいと思います。私も、動きものを追従するときは主にグループ9点を使っています。

ただ、サッカーやラグビーといった遠近が混在するシーンの撮影で、被写体が目まぐるしく入れ替わるような場合は、グループ9点だと背景にピントが抜けてしまうことや、手前を横切る被写体にピントを合わせてしまうことがあります。E-M1 Mark IIでは、そういう場合にも主要被写体を追い続けやすいように十字型のグループ5点を追加しています。グループ9点を使っていただいて、どうしても主要被写体以外の被写体が入ってしまう場合にグループ5点を選択していただくのがよいと思います。

グループ5点

グループ9点

C-AF追従感度やスキャン設定を積極的に活用してほしい

菊地:オートフォーカスの設定では、AFターゲットモードのほか、C-AF追従感度やAFスキャン設定などを細かくカスタマイズして使うことができます。基本的にはデフォルトの設定で問題ありませんが、被写体やシーンによって積極的に活用していただくことでオートフォーカスがさらに使いやすくなると思います。C-AF追従感度は5段階で調整できますが、基本的にはオールマイティーな設定になるデフォルトの「0」で使っていただければと思います。ただ、特に鳥や飛行機などの撮影ではグループ内に主要被写体を収め続けるのが難しい場合があります。

グループ9点のエリアから主要被写体が抜けてしまう場合や、横切りが多くなるシーンでは、追従感度をマイナス側に設定していただければ、不要なレンズ駆動が少なくなり、撮影がしやすくなると思います。逆に、小動物など止まった状態から急に動き出すようなものに対しては、感度をプラス側に設定すると反応がよくなり、追従しやすくなると思います。スキャン設定については、青空を飛ぶ鳥や飛行機など、背景が均一になっていて主要被写体が激しく動くような場合は、設定自体をオフにすると使いやすくなると思います。カメラが余計な動きをしなくなるので、大ボケ状態でのレリーズを回避することができます。

「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO、150mm(35mm判換算300mm)、1/2000秒、F2.8、ISO400」

ミラーレス一眼のイメージを覆すことができた自信作

菊地:E-M1 Mark IIではとにかく気持ちよく撮影できる点をご体感いただきたいと思っています。オートフォーカスだけでなく、カメラとしてのレスポンスも向上しています。E-M1 Mark IIのC-AFが一新されたと、E-M1ユーザーに感じていただけると自信を持っています。

E-M1 Mark IIをテストしたプロの写真家からは、「カメラとしてのレスポンスが上がっているので撮影がしやすい」というご意見をいただけました。オートフォーカスについては、飛躍的によくなっていて「プロが仕事に使えるレベル」や「サーキットやサッカーの撮影でも十分に使える」という声をいただいています。

10コマ/秒(※)の高速連写に対応した大光量フラッシュFL-900R

大光量フラッシュFL-900R

濱田:E-M1の発売以来、多くのプロの写真家にもご愛用いただけるようになりました。オリンパスのミラーレス一眼には小型・軽量、防塵・防滴、耐低温という強みがあり、好評を得ています。今回のFL-900Rでは、この強みに合ったフラッグシップのフラッシュを開発したいという想いがありました。防塵・防滴、耐低温性能を実現しつつ、カメラと一体感がでるように、電池ボックスや操作部などのレイアウトを工夫しました。

特長としては大光量を実現した点と、10コマ/秒(※)の連写に対応するハイレスポンスを実現した点になります。連写Hと連写Lの使い分けが可能になり、連写Hでは10コマ/秒のコマ数を優先したフラッシュ撮影をすることができ、連写Lでは逆にフラッシュの発光を重視して利用することができます。撮り方にあわせて適したモードをお選びください。また、被写体が浮き出てくるような光の表現にもこの高性能フラッシュをご活用いただければと思います。
※ 1/32発光比において

フラッシュ担当:濱田 敬

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