OM-3 × 写真家 大杉 隼平 想像の先に広がる世界を表現できる OM-3

掲載日:2025年02月06日

掲載日:2025年02月06日

日常の中を写していくことは多くの気づきや学びを与えてくれます。その瞬間の天気、光、そして街の気配と人の息吹。
見ようとしないと見えないもの。その一瞬を追い求めていく。
写真で何を伝えたいか。その時の自分の感情そのものが写真の中に入っていくかのように。

トラディショナルな外観のOM-3は特徴的なペンタ部に、カメラボディー両サイドのデルタカットや軍幹部のダイヤル形状など、往年のフィルム一眼レフカメラOM-1から引き継がれた、普遍的な美しさをまとうデザインとなっている。
日々進化する中で多くの新たな機能と積み重ねた歴史からのインスピレーション。その融合をOM-3は持ち合わせており、多彩に用意された小型なレンズからは想像ができない程の描写を得ることができると感じた。

真摯なものづくりを感じるOM SYSTEM OM-3と共に旅に出ようと思った。小型でありながらそこには多くの機能が詰まっている。
その中から何を選択し表現していくか。OM-3は多くの新たな発見と楽しさを与えてくれた。

【左】OM-3 + 25mm F1.8 II

50mm相当*/1/160秒/F2.0/ISO 800

【右】OM-3 + 25mm F1.8 II

50mm相当*/1/125秒/F1.8/ISO 800
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: +1, Midtone: -1, Shadow: -1

一瞬を逃さない為には動き続けることで見えてくるものがある。
OM-3は強力な手ぶれ補正も兼ね備えているので、特にシャッター速度が遅くなる夜などでの手持ちでは、その機動性がとても大切な要素だと感じる。

【左】OM-3 + 17mm F1.8 II

34mm相当*/1/800秒/F2.5/ISO 250

【右】OM-3 + ED 45mm F1.2 PRO

90mm相当*/1/160秒/F1.2/ISO 400
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: +1, Midtone: -1, Shadow: 0

視点の高さが少し変わるだけで、見える世界は大きく変わってくる。暗闇から掬い上げたような光は先に向かう希望であって欲しいと思っている。
日々一刻と変わっていく光は作ることのできない自然が与えてくれるものだと感じている。

作品づくりをする中で、撮るものは全然違うものを撮ったりするが、その中で一貫性を持たせたいということがある。OM-3に搭載されている「カラープロファイルコントロール」機能を使い、自分にとっての表現したい色を設定し、個々の撮影をする中で思い描くイメージに近づけるための微調整をしていくのが1つの選択だと感じた。
違う瞬間であっても、ある一定の繋がりやストーリー、言葉をどこか写真の中に入れていきたかった。
細かくカラーの設定ができる中で自分が表現したい世界観をOM-3と共に作っていく。

カラー/モノクロプロファイルコントロール、クリエイティブダイヤルやアートフィルターなど、自分の表現したい色を設定できる機能が、カメラ前面のクリエイティブダイヤルに集約されており、スピーディーに切り替えが可能となっているうえ、ファインダーを覗きながらでも直感的に操作することができる。作品に合わせて具体的な作り込みをカメラ内で簡単に設定できるので作品撮影に集中することができる。

【左】OM-3 + 17mm F1.8 II

34mm相当*/1/640秒/F3.2/ISO 250
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: 0, Midtone: -1, Shadow: -1

【右】OM-3 + 25mm F1.8 II

50mm相当*/1/1600秒/F2.0/ISO 250
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: +2, Midtone: -1, Shadow: -1

人が行き交う街の中を切り取っていく。刻一刻と変わっていく光。雨の音。

カラープロファイルコントロール機能は、撮影の時だけではなく、編集ソフトウェア「OM Workspace」を使うことで、再度細かい設定調整を行うこともできるので、撮影後により理想の色に近づけていくことも可能だ。(カメラの画質設定をRAW画質で記録しておくことが必要。)

OM-3 + ED 17mm F1.2 PRO

34mm相当*/1/4000秒/F2.8/ISO 200

大雨の次の日に行った滝の裏側。そして降り注ぐ優しい光。
OM-3にはIP53の防塵・防滴と、耐低温性能があるので、水が降り注ぐアングルでの撮影もできた。
「この場所から撮りたい」という自分自身の衝動を大切にしている。撮影をする中で新たな視点や発想に繋がると共に、撮ってみたいと思う構図のひらめきを存分に与えてくれるからだ。
アウトドアや自然の中で天候に左右されず安心して使えるのもOM-3の大きなメリットだと思う。

【左】OM-3 + ED 20mm F1.4 PRO

40mm相当*/1/8000秒/F4.5/ISO 200
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: +1, Midtone: 0, Shadow: -1

【右】OM-3 + ED 17mm F1.2 PRO

34mm相当*/1/400秒/F5.6/ISO 400
ライブGND(ND04/Soft)
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: -1, Midtone: 0, Shadow: 0

訪れる場所でその日の光を見ながら撮るものを見つけていく。それはその土地を知ることのきっかけにもなります。
美しい潜水橋の夕日を撮影する中で、コンピュテーショナル フォトグラフィの1つ「ライブGND」機能を使うことによって空の表現を失わずに出すことができた。この時、この場所の夕陽が沈む瞬間は数分と満たないくらいとても短い時間だった。

OM-3ではCPボタン(カメラ背面にあるボタン)が新設、ハイレゾショット機能やライブGND機能などコンピュテーショナル フォトグラフィの機能がこのボタンに集約された(ライブコンポジット機能は除く)。
クリエイティブダイヤル同様、スピーディーに切り替え、直感的に操作することもできるので、一連の設定変更から撮影までスムーズに行うことができる。

ライブGND機能はボタン操作で簡単にアクセスができ、レンズごとに装着が必要となる物理的なフィルターを使わなくても良いので、フィルターを交換する手間もなく、また、背面モニターで効果を確認しながら設定調整することもできるので、今回この機能を初めて使ってみて本当に素晴らしい機能だと感じた。

OM-3 + ED 7-14mm F2.8 PRO

24mm相当*/1/2000秒/F3.2/ISO 400
ライブGND(ND08/Medium)
ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: +1, Midtone: +1, Shadow: +1

OM-3 + ED 25mm F1.2 PRO

50mm相当*/1/3200秒/F1.6/ISO 400
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: +3, Midtone: 0, Shadow: -1

窓の外に広がる朝日。そしてそこにある風景。
その一瞬の光を逃さずに撮るためにOM-3を構える。OM-3の持つ環境性能と機動性、そしてクリエイティブ機能は、様々なシーンに対応する安心感を与えてくれる。それは写真を撮る中で新たな視点を持つことにも繋がってくると共に作品制作の過程においてとても大切な要素となってくる。

【左】OM-3 + ED 25mm F1.2 PRO

50mm相当*/1/125秒/F1.4/ISO 800
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: 0, Midtone: +1, Shadow: +2

【右】OM-3 + ED 25mm F1.2 PRO

50mm相当*/1/125秒/F1.4/ISO 800
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: 0, Midtone: +1, Shadow: +1

年間を通じて多くの職人さんたちの撮影をさせて頂いている。ものづくりの中にある背景、過程。そこには多くの見えない積み重ねがあり、日々それを教えていただく時間でもあると感じている。

OM-3を構えて緊張感を感じながら職人さんと向き合って撮っていく時間。
その一瞬の動きを逃さずに写したいと思っている。「こうして下さい。」「ここで止まって下さい。」と言うのではなく、普段のありのままの姿を丁寧に切り取っていくことが大切だと思い撮影に向き合っている。

【左】OM-3 + ED 17mm F1.2 PRO

34mm相当*/1/250秒/F1.8/ISO 800
ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: 0, Midtone: +1, Shadow: -1

【右】OM-3 + ED 17mm F1.2 PRO

34mm相当*/1/125秒/F1.8/ISO 800
カラープロファイルコントロール/ハイライト&シャドウコントロール : Highlight: -2, Midtone: -3, Shadow: +3

手間を積み重ねる。素晴らしいものづくりの時間がここにはあると感じる。
職人さんの無駄のない動きの美しさ。そして経験が与えてくれる本物の持つ力。
「変わらない為に変わり続ける」その言葉の意味を教えてもらったようにも感じる。
暗所であっても小型軽量で強力な手ぶれ補正能力があるOM-3は手持ちで撮影が可能だ。
ありのままの姿を撮影したいと思うからこそ一瞬も目を逸らさずにその直向きな姿勢を追いかけていくことができる。

OM-3を使ってみて写真を撮ることの意味、楽しさそして伝えることについて考える時間でもあり、多くの素晴らしい機能を搭載し真摯なものづくりをOM-3からも感じることができたと思う。
その中から何を選択して作品作りに反映させていくか。それは今までとは違った視点を与えてくれたようにも感じた。

綺麗に撮ることは勿論大切ですが、何を伝えたいか。
自分の足で歩き、そこに至る過程の中から見つかる発見や出会い。
それは知らなかったことを知るきっかけとなり考えることを与えてくれる。
写真はこうしなきゃいけないってことよりもやはり目の前にあるものをどう表現していくかが大切だと思う。
私はOM-3とならそれを体現できると確信する。

OM-3と出会い、このカメラと旅をした時間はとてもかけがえのないものになった。
様々なシーンに持っていけるOM-3は日々の中で、そして旅先で新たな出会いを与えてくれると感じる。
まだ見ぬこれからに向かって。自分も撮り続けていきたいと思う。

*35mm 判換算値

記事内で使用した機材

大杉 隼平

1982年東京生まれ。ロンドンで写真とアートを学ぶ。
現在、TV、広告、カタログなどで活動する傍ら、国内外の役者やアーティストの写真を手掛ける。
また日本各地の職人や生産者を写し国内外のブランド、企業のプロモーションを担当する。
CP+主催の「THE EDITORS PHOTO AWARD ZOOMS JAPAN 2020」では、一般投票で最多票を獲得しパブリック賞を受賞。