写真家 小田切 裕介 × OM-1 Mark II 100-400mm II 超望遠レンズキットを徹底解剖! ~携帯性に優れた超望遠ズームレンズで野鳥撮影をもっと身近に~
掲載日:2025年12月19日
掲載日:2025年12月19日
はじめに
OM SYSTEMの最大の魅力は小型軽量のカメラ、レンズが揃うことにある。主に野鳥を撮影している私は、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROとM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIの2本の超望遠レンズを愛用している。公共交通機関や徒歩で撮影地を巡るとき、コンパクトに収納できるこの2本のレンズは、私の行動範囲を広げ、被写体との出会いの機会を増やしてくれる。
特にM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIは、機動力と汎用性が高く、様々な被写体、撮影シーンに素早く対応できる超望遠ズームレンズ。今回は、OM-1 Mark IIとM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIの超望遠レンズキットが発売されたのを機に、改めてこの2製品の組み合わせで撮影した写真をお見せしながら、このシステムの魅力について語ってみよう。
2025年11月14日発売、OM-1 Mark II 100-400mm II 超望遠レンズキット

写真家 小田切 裕介
今回の小田切 裕介さんのメイン機材


風のない日の公園の池。対岸の木々の葉の色を映す幻想的な水面に浮かぶキンクロハジロを撮影した。水面のリフレクションが美しく見えるアングルやカメラポジションを選んだ。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Sモード 1/2000秒 F6.3 ISO 4000
機動力の高さが何よりものアドバンテージ
望遠ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIは、35mm判に換算すると200〜800mm相当の超望遠撮影が可能なズームレンズ。一般的に野鳥撮影に必要とされる焦点距離は500〜600mmと言われており、近づくのが難しい野鳥では800mmが必要な場面も少なくない。このズームレンズが1本あれば、野鳥撮影に必要な焦点域をほぼカバーしてくれる。
公園を歩きながら野鳥を探していると、池の上に伸びた木の枝にカワセミが一羽とまっているのを見つけた。望遠端まで一気にズームし、800mm相当*でその姿を素早く捉えた。シャッターチャンスに素早く対応できるのもこのズームレンズならでは。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Sモード 1/1250秒 F6.3 ISO 800
しかも、800mm相当(35mm判換算)の超望遠域をカバーするレンズとしては軽量。OM-1 Mark IIと合わせても重さは1,899g。付属の三脚座を外せば、さらに175gも軽量化できる。超望遠の撮影システムとしてはコンパクトなので、小型のカメラバッグにも収まり、どこへでも持って行きたくなる。
フィルターサイズがφ72mmである点も気に入っている。常用している高倍率ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROとフィルターサイズが一緒なので、C-PLフィルターやNDフィルターなどを共用できる。荷物が増えず、コスト面でも大きなメリットがある。
OM-1 MarkⅡとM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II(三脚座を外した状態) 、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO。このレンズ2本の組み合わせではなんと、広角24mm相当から超望遠800mm相当までカバーできる。フィルターサイズが共通で、C-PLフィルターなどを共用可能。
また、強力な手ぶれ補正機構を持つのもOM SYSTEMのカメラ、レンズの大きなアドバンテージ。M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIは、レンズ単体でも4.5段の手ぶれ補正効果を持つ。
さらにOM-1 MarkⅡ、OM-3、OM-5 MarkⅡなどのボディーと組み合わせると、カメラボディー内の5軸手ぶれ補正機構と連動して「5軸シンクロ手ぶれ補正」が働く。すると、ズームの広角端で7.0段、望遠端でも5.5段の強力な手ぶれ補正効果が得られるのだ。かつて、超望遠レンズで野鳥撮影を行う場合、しっかりとした三脚が必要とされてきた。しかし、このレンズキットは強力な手ぶれ補正機構により、800mm相当の超望遠撮影時でも画面が安定し、ぶれを気にせず、手持ちで野鳥撮影を楽しめる。
雑木林の中で「ヒーヒー」と鳴く声が聞こえたので、周囲を見回すと、少し高い枝にジョウビタキのメスがいるのを見つけた。思いのほか距離が近かったので、逃げられないように静かにカメラ向け、そっとシャッターを切った。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Sモード 1/1600秒 F6.3 ISO 1000
幅広のズームリングは操作しやすく、左手は常にこのズームリングの位置を下から支えるように添える。望遠側にズームするとレンズ先端が前方に大きく繰り出す構造。その際に重量バランスが崩れる超望遠ズームレンズもあるが、このレンズは重量バランスの変化量が少なく、ズームしてもレンズを持ち替える必要がない点も評価できる。
フォーカスリングがズームリングの前方にあるのもありがたい。ほとんどの撮影はC-AF(コンティニュアスAF)で行うが、MF(マニュアルフォーカス)で微調整する場面もある。そのとき、左手の位置は変えずに指先でフォーカスリングを操作することで、素早く対応できる。
水量のある川で、流れに逆らいながら水中の藻を食べるマガモを撮影。距離が離れていたので、1.4倍のテレコンバーターMC-14を使用した。水辺での撮影では、カメラやレンズに水しぶきがかかることがあり、防塵・防滴設計であれば安心して撮影に取り組める。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II + MC-14
1120mm相当* Sモード 1/640秒 F9.0 ISO 800
忘れてならないのが、カメラもレンズも防塵・防滴設計である点。野鳥撮影では、砂ぼこりが立つ場所で撮影したり、水しぶきがかかったり、突然の雨に見舞われることもある。ズームレンズの伸縮部分などの水の浸入経路には密閉シーリングが施され、カメラはIP53、レンズはIPX1の防滴性能を確保。土砂降りの雨になってきたら、レインカバーを使いたいが、急な環境の変化に対応できるので、安心して撮影に取り組める。
被写体に寄れるので活用シーンが広がる
このレンズは遠くの被写体を大きく撮影する能力に加え、小さな被写体に近づき、大きく拡大して撮る能力も高い。最短撮影距離はズーム全域で1.3m。ズームのテレ端400mm時に最大撮影倍率は0.57倍相当*に達する。これはいわゆるハーフマクロと呼ばれる拡大撮影能力を持つことを意味し、被写体を実物の半分の大きさで写すことができる。
野鳥撮影では、2mを切るような近距離で撮影する機会はめったにないが、自然の風物に目を向ければ、この高い近接撮影能力が役立つ場面は少なくない。例えば、美しい花畑に出会ったとき、1.3mまで近づくことで背景や前景を大きくぼかし、美しい一輪の花をアップで捉えることができる。
最短撮影距離の1.3mでコスモス畑の一輪をクローズアップ撮影。ピントは花の中央の黄色い管状花に合わせ、大きな花びらが次第にぼけるように狙った。また、奥の花との距離をとることで、背景を大きくぼかした。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Aモード 1/2000秒 F7.1 ISO 800
ヒャクニチソウの花を狙っていると、ヒメアカタテハが飛んできて、花の蜜を吸い始めた。撮影距離をとることができるので、昆虫を警戒させずに撮影できた。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Aモード 1/2000秒 F6.3 ISO 800
周辺部まで描写が均質でボケも楽しめる
望遠性能や近接性能がとても高い事はわかったが、描写性能をどうだろうか。レンズの構成を見てみると、EDレンズ4枚、スーパーHRレンズ2枚、HRレンズ2枚を使い、色にじみを抑え、ヌケのよい描写を実現している。OM SYSTEMのPROシリーズのレンズのようなシャープな画質は得られにくいかもしれないが、高い解像力を持っているという印象だ。
池の真ん中でくつろぐオナガガモ。距離が遠かったので、1.4倍のテレコンバーターMC-14を使用した。テレコンを使っても描写は良好で、羽の模様も鮮明に写っているので、是非拡大をして見て欲しい。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II + MC-14
1120mm相当* Sモード 1/1000秒 F9.0 ISO 640
ズームレンズの望遠端、400mm時の開放F値がF6.3であることを気にするかも知れない。撮影をしていると暗いシーンではISO感度が上がってしまうこともあり、できるだけ明るい撮影条件で使いたい。ボケについては、開放F値がF2.8やF4.0のレンズほどの強いボケは望めないが、花の写真を見てもらえれば分かるとおり、被写体と背景の距離が十分取れていれば、キレイにぼける。何よりも画面周辺部まで描写が均質で、背景に玉ボケが生じたとき、それが画面の端の方にあっても、あまり形が潰れることなく美しいボケの形をキープしてくれる。
薄暗い林の中、枝から枝へと飛び移る頭上をシジュウカラの姿を見つけ、カメラを向けた。ISO6400とISO感度が高くなっているが、高感度撮影に強いOM-1 Mark IIは、ノイズが目立たず、細部までしっかりと解像している。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Sモード 1/1600秒 F6.3 ISO 6400
「5軸シンクロ手ぶれ補正」の効果も画質面でプラスに働いているように感じる。「5軸シンクロ手ぶれ補正」に非対応だった旧モデルのM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS(I型)と撮影画像を比較すると、光学系は同じはずなのだが、現行のⅡ型で撮った画像のほうがよりシャープに見える。特に野鳥をアップで撮ったときの羽毛の繊維の描写などにこの差が現れる。
倒木の幹で休息中のカルガモをそっと狙う。暗い木陰での手持ち撮影だが、シャッター速度を1/400秒まで落としてもぶれることなく、鮮明に撮れた。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II + MC-14
782mm相当* Sモード 1/400秒 F9.0 ISO 2500
野鳥撮影が捗るOM-1 MarkⅡのAI被写体認識AF
M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIの持つ超望遠撮影能力を引き出し、野鳥撮影を成功に導いてくれるミラーレス一眼カメラが、OM-1 Mark II。このカメラの優れたポイントは、まず、AI被写体認識AFによる高い被写体捕捉能力とAF/AEが追従した状態で25コマ/秒※のブラックアウトフリー連写が可能である点だ。
※ PROシリーズレンズとの組み合わせの場合は、最高50コマ/秒の連写が可能。
AI被写体認識AFは、画面内から被写体を探し出し、ピントを合わせるというもので、人物、モータースポーツ、飛行機、鉄道、鳥、犬・猫の6つのポジションを選択でき、人物、鳥、犬・猫では、瞳まで検出してピントを合わせる。
AI被写体認識AFの設定画面で撮りたい被写体を選択。「鳥」では、鳥の頭部を認識すると白い枠が表示され、瞳を検出すると瞳の位置にも白い枠が表示される。また、ピントを合わせようとする被写体の位置の四隅には二重枠が現れる。
AFターゲットモードはAll(全域)に設定し、AI被写体認識AFで「鳥」を選べば、鳥が画面内のどこにいても、ターゲットとなる鳥の位置にサッと白い枠が表示される。このとき、顔がこちら側を向いており、十分なコントラストがあれば、瞳の部分に小さな白い枠が現れ、瞳にピントが合うことを知らせてくれる。この快適さを一度知ってしまうと、従来のように自分でAFターゲットの位置を移動させるのが億劫になる。また、カメラが被写体を認識してピントを合わせてくれるので、被写体に意識を集中でき、シャッターチャンスを逃さなくなる。
少し離れた木の枝にエナガを見つけた。800mm相当では小さくしか捉えられなかったが、AI被写体認識AFはエナガの頭部と瞳に白い枠を表示させ、しっかりとピントを合わせた。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Sモード 1/1600秒 F6.3 ISO 5000
背をこちらに向けたアオサギ。被写体認識AFがなかった時代には、背中にAFが合ってしまうこともあったが、AI被写体認識AFは、頭部だけでなく、瞳をしっかりと認識して正確にピントを合わせてくれた。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Sモード 1/1250秒 F6.3 ISO 800
撮れなかった瞬間を写せるようになる
OM-1 Mark IIの撮影機能の中で、特に野鳥撮影で役立つものが「プロキャプチャー」モードだ。野鳥が翼を大きく広げて飛び立つ瞬間、獲物を捕らえる瞬間、水中にダイブする瞬間、これらの決定的瞬間を捉えた1枚を撮るのは至難の業であった。しかし、シャッターボタンを全押しした瞬間から最大99コマをさかのぼって記録でき、最高120コマ/秒の超高速連写が可能な「プロキャプチャー」を使えば、狙った瞬間を捉える確率は大幅にアップする。
私がよく使用するのは「ProCap(プロキャプチャー) SH1」と「ProCap SH2」。
「ProCap SH1」は最高120コマ/秒の超高速連写が可能で、シャッターボタンを全押しする前の画像も記録できる。ただし、S-AF(シングルAF)での撮影になるため、被写体との撮影距離の変化が生じないシーンに限定される。例えば、カワセミが木の枝から水中にダイブする飛び出しを横から狙う場合などに、「ProCap SH1」が威力を発揮する。
もう1つの「ProCap SH2」はC-AF(コンティニュアスAF)で、1コマごとにAFを働かせながら、最高25コマ/秒※で撮影できるモード。野鳥の動きが予測できない場合は「ProCap SH2」が有効で、被写体がどの方向に動いてもC-AFが働く。特にちょこちょこ動き回る小型の鳥を撮る場面で活用している。
OM-1 MarkⅡがあると表現の幅が広がる
OM SYSTEMのカメラが持つ魅力的な撮影機能の1つに「コンピュテーショナル フォトグラフィ」がある。撮影画像の合成処理をカメラボディー内で行うもので、OM-1 Mark IIには、風景などの高画素撮影を可能にする「ハイレゾショット」、輝度差の大きい朝夕の風景などに使われるハーフNDフィルターと同様の効果が得られる「ライブGND」、明るい場所でもスローシャッター効果が得られる「ライブND」、星景や花火の撮影で光の軌跡を美しく表現する「ライブコンポジット」、絞りを絞り込まずに被写界深度を深くする「深度合成」の代表的な5つの機能があり、クリエイティブな表現を追求できる。
この5つの機能の中で、野鳥撮影に使えると考える機能が「ライブND」。連写した複数の画像を合成して擬似的に露光時間を延ばし、スローシャッター効果が得られるもの。止まっている被写体はシャープに表現され、動いている被写体は流れるように写るこの機能、川の流れの中でジッとしているサギ類の撮影に使うと効果的だと気づいた。「ライブND」ではカメラを固定しなければならないので三脚を使用する。普通に考えればNDフィルターが必要な場面だが、「ライブND」は明るい太陽の下でもスローシャッター効果のある写真が撮れる。
ライブND撮影機能は、ND2〜ND128の7段階に設定できる。より強力なND効果が欲しく、ND64の1/2秒相当で撮影した。アオサギのわずかな動きや体の揺れがあると失敗となる。そのため、10数枚トライした中で、鳥の姿がシャープで、水流がキレイに流れた1枚を選んだ。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II + MC-14
1120mm相当* Sモード 1/2秒 F11 ISO 200
ライブND(ND64)
超望遠ズームレンズを他の被写体にも使いたい
ここまで野鳥撮影の話ばかりしてきたが、超望遠ズームレンズが必要な被写体は他にもある。野生動物、モータースポーツ、飛行機など、離れた場所から撮らなければならない被写体には、超望遠ズームレンズは必須だ。そして鉄道写真でも、超望遠レンズでないと撮れない場面や超望遠だから引き出せる迫力のあるシーンがある。
圧縮効果という言葉がある。焦点距離の長いレンズで撮影すると、メインの被写体と背景の風景の距離感が失われ、背景が手前に引き寄せられたように見える現象をいう。鉄道写真では、長い編成の列車を望遠レンズで撮ると、列車の前後が詰まって写り、緊張感のある絵を作れる。この圧縮効果を狙った撮影にM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIはぴったりで、OM-1 Mark IIのAI被写体認識AFで「鉄道」を選べば、列車の正面部にピントが素早く合ってくれる。
都市部では線路の周辺に様々な建物や電柱が立ち並び、焦点距離が短いレンズでは画面を整理するのが難しい。カーブの外側からこちらに向かってくる電車を超望遠ズームレンズで狙えば、車両をより大きく捉え、圧縮効果で緊張感のある画面構成ができる。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
338mm相当* Sモード 1/320秒 F7.1 ISO 250
鉄橋を渡る通勤電車を1120mm相当で流し撮り。周囲をカットし、狙った被写体だけを画面いっぱいに写したかった。ファインダー内に車両を同じ位置に捉えながら、1/160秒のシャッター速度でカメラを振ると、周囲は流れ、電車だけがシャープに写る。手ぶれ補正を「S-IS 2」に設定して、縦ぶれのみを補正した。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II + MC-14
1120mm相当* Sモード 1/160秒 F10 ISO 200
ライブND(ND64)
野鳥撮影の基本は観察であることを忘れずに
今回、撮影レポートをお届けしたOM-1 Mark IIとM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIの超望遠レンズキットには、防水タイプの双眼鏡8×25WP IIがセットになっている。倍率は野鳥観察に使いやすい8倍、コンパクトなボディーだが、対物レンズ有効径は25mmあり、明るさは9.8を確保している。日中の使用であれば快適に使える明るさだ。
野鳥の姿をじっくりと観察するならば、倍率の高い双眼鏡が役立つが、鳥を見つけることが目的であれば、8倍が使いやすい。
8×25WP II フォレストグリーン
最近、野鳥撮影を行う際に双眼鏡を使わない方が増えているように感じている。カメラのファインダーを覗いて、野鳥の姿を確認できれば十分だということだろうか。確かにOM-1 MarkⅡのファインダーは約576万ドットと高精細で、細部までハッキリ見えるが、暗い影になった部分までは確認できないことがある。
実が熟してきたアキニレの木のそばで待っていると、アトリの群れが近づいてきた。カメラのファインダーを覗いても、体の色が色づいた葉や実に紛れてアトリの姿は見つからない。そんなときは双眼鏡が役立つ。双眼鏡で姿を確認したら、素早くカメラを向けて撮影。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Sモード 1/2000秒 F6.3 ISO 4000
野鳥撮影の基本は観察。野鳥の姿を探すとき、経験的に双眼鏡で見つける方が早い。私は野鳥の声を頼りに双眼鏡でその姿を探し、肉眼で確認してからカメラのファインダーを覗く。水鳥のように開けた場所にいる鳥であれば、直ぐにファインダーを覗くこともあるが、双眼鏡でその鳥が何をしているのか、これから何をしようとしているのか、観察してから撮影行動に入った方がスムーズに撮影できると考えている。
観察を通して、野鳥の行動パターンを理解できれば、その鳥が何を食べ、どこでエサを探し、どんな場所にとまるのかが分かる。写真はジョウビタキのオス。地面に降りては、エサを探し、何かをくわえると、近くの木の枝や杭の先にとまる。行動を先読みできれば、野鳥の姿を捉えるスピードもアップする。
OM-1 Mark II + ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II
800mm相当* Sモード 1/800秒 F6.3 ISO 2500
まとめ
このOM-1 Mark II 100-400mm II 超望遠レンズキットに同梱される防水双眼鏡、8×25WP IIは285gと軽いので、常に首から下げておき、野鳥の姿を探す際、野鳥の仕草を観察する際に活用してほしい。被写体をしっかり観察し、野鳥の生態を理解した上で、OM-1 Mark IIとM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS IIで撮影すれば、きっと素晴らしいシャッターチャンスに出会い、素敵な野鳥写真が撮れるだろう。
超望遠レンズキットは、単品で購入するよりも、約6万円ほどお得に。数量限定販売。
*35mm判換算値
小田切 裕介
1967年、東京都生まれ。カメラ雑誌「CAPA」「デジキャパ!」の編集者を経て、2009年にフリーランスのライター&カメラマンに転向。カメラ、野鳥、鉄道、旅行、アウトドアなど幅広いジャンルの雑誌、ムック、webサイトの記事制作に携わる。




