OM-1 Mark II × 昆虫イラストレーター
じゅえき太郎
~ぼくがOM SYSTEM にハマった理由(ワケ)~

掲載日:2026年07月15日

掲載日:2026年07月15日

OM SYSTEM との出会い

はじめまして。僕は「じゅえき太郎」という名前で、昆虫イラストレーターという仕事をしています。ゆるいタッチの漫画の他に、図鑑に使う細密なイラストを描く機会もあります。

イラスト
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その中で「昆虫をもっと細部まで観察して描きたい」と思うようになったことが、OM SYSTEMのカメラに興味を持ったきっかけでした。
もちろん本やインターネットを使えば参考にしやすい様々な画像が出てくるのですが、できる限りモチーフから自分で撮影したものを使いたいと思いました。そうすることで自分の制作物であるという純度のようなものが上げられると思ったからです。

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買い物に慎重な僕ですが、カメラ選びにおいてOM SYSTEMを選ぶのに迷いはありませんでした。大きな理由としては、周りの昆虫関係の仕事をしている人たちの間で、OM SYSTEMが圧倒的に多かったからです。先人たちの選択を真似すれば失敗することはないであろうというのが、カメラ素人である僕の作戦です。

それから僕はOM SYSTEM のカメラを紹介する記事や、YouTube等を見漁ります。そこでTG-7やOMシリーズのカメラの事を知りました。「小型ながらマクロ撮影に強い」という共通の特徴に加え、屋外の過酷な環境でも安心して使える優れた防塵・防滴性能。これはおっちょこちょいでスマホなどをよく落とす僕とって安心材料であり、大きな強みだと感じました。

TG-7 イラスト

はじめての相棒、Tough(タフ) TG-7

最初に購入したのは、コンパクトデジタルカメラの「Tough TG-7」。
とにかくマクロ撮影が得意なTG-7は、標本をより詳細に観察したいという、この時の僕の希望にぴったりでした。
なかでもモードダイヤルを顕微鏡のマークを合わせるだけで圧倒的なマクロ撮影ができる「顕微鏡モード」と、1回のシャッターで複数枚の画像を1枚の画像に合成する「深度合成」機能はとても重宝しました。

このカメラのおかげで、それまではインターネットや他の図鑑を参考にせざるを得なかった部分も、自分で撮影した昆虫をじっくり観察して描けるようになりました。

ゲンゴロウ

顕微鏡モードで撮影したゲンゴロウ

カブトムシ

深度合成で撮影したカブトムシ

クワガタ

深度合成で撮影したクワガタ

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しかし、そんなTG-7を使い続けるうちに、ある願望が芽生えたのです。
それは「飛んでいる生き物」の撮影がしたいということ。
TG-7はマクロに特化しており、手軽に小さな生き物や標本の細部を撮影するにはもってこいなのですが、花畑を飛び回る蝶や、池の真ん中を高速で飛び回るトンボを捉えたりするのには限界がありました。動きのある昆虫も撮りたい。

OM-1 Mark II との出会い

そんな願いを叶えるべくして出会ってしまったのが「OM-1 Mark II」でした。
シャッターボタン全押しをした瞬間から数秒間、時間を遡って撮影をすることができる「プロキャプチャーモード」という機能が昆虫撮影に最適だということを知り、その日のうちに機材をレンタル。その勢いのままに、新宿御苑へと足を運びました。

すると、これまで使用してきたカメラでは絶対に撮れなかったような絶妙なアングルで、アゲハチョウの羽ばたく瞬間の姿を美しく捉えることができたのです。その瞬間、僕はレンタルしていたカメラとレンズ、OM-1 Mark IIとM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの購入を決めていました。

プロキャプチャーモード、はじめての1枚

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明るくて、寄れる望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」は、カメラ初心者の僕にはもってこいの1本。さらにテレコンバーターを装着することでさらに遠くまで撮影できるので、一本で様々な環境に対応できるレンズでした。このカメラとレンズの組み合わせである程度離れたところにいる昆虫の大半は、撮影をすることができるようになったのです。

カマキリ

40-150mm F2.8 PROで撮影したカマキリ

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写真からのスケッチ

イラストレーターとしての収穫

またカメラの連写性能が上がったことは、イラストレーターとしての表現力にも大きな変化をもたらしました。それは描く昆虫のポーズの変化です。

それまで、「チョウのイラスト」といえば決まった定番のポーズになりがちでした。しかし、一瞬の動きを何枚も捉えられるようになったことで、同じチョウのポーズの中にも、実に多様なバリエーションや美しさがあると気づいたのです。お決まりのポーズ以外の、見せ方の可能性が一気に広がったことは、イラストレーターとして何よりも嬉しい収穫でした。

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「むし あつまれ!じゅえきくん」(Gakken)より

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“マクロレンズ”の魅力

その後、「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」を追加で購入しました。この90mmのマクロレンズのおかげで、小さな昆虫の生き生きとした瞬間を驚くほど快適に撮影できるようになりました。

なかでも特に驚いたのがカマバエの飛翔撮影です。
カマバエは水辺にいるカマキリのようなカマを持ったハエなのですが、大きさが全長3ミリほどしかなく、撮影にとても苦労していました。しかしこのマクロレンズを使ってみたところ、小さなカマバエがカッコよく撮れるうえ、苦労の末、飛翔写真まで撮影することができたのです!

カマバエ

90mmMACROで撮影したカマバエ

飛翔するカマバエ

飛翔するカマバエ

深度合成については、TG-7よりもさらに素早い深度合成が可能になり、標本の撮影も圧倒的に楽になりました。TG-7では昆虫が完全に止まった状態を維持し、撮影完了まで数秒間待つ必要があったのですが、OM-1 Mark IIにしてからは、オートフォーカスのスピードや深度合成の処理時間等がとても速くなり、生きている昆虫が少し止まってくれたタイミングで撮影することができるようになりました。これにより、室内での標本撮影だけではなく、屋外での生体への深度合成の使用も多くなりました。

冬の到来、新しい出会い

しかし、そんな充実した日々に、少し寂しい季節がやってきました。そう冬の到来です。
冬になると昆虫たちはほとんど姿を消してしまいます。同時にほぼ昆虫しか撮影しない僕にとってカメラの出番が減っていく事を意味しています。

そんなある日、よく行く近所の公園でゴマダラチョウの幼虫を探していたところ、何かが真上にとまりました。ふと見上げると、真上の枝に大きな鳥が止まりました。

『この鳥、、カラスではない、、、』

慌てて撮影し、調べたところその鳥の名前はオオタカでした。
それまでの僕は、昆虫への関心ばかりで、野鳥への関心がありませんでした。近所のいつも通っている公園にどんな鳥がいるのかさえ全く知らなかったのです。

しかしその瞬間、自分がいつも虫を探して歩いている馴染みの森に、オオタカというかっこいい猛禽類がいるという衝撃の事実を知ったのです。この出会いをきっかけに、僕の冬のカメラ生活は一気に色鮮やかなものへと変わりました。

野鳥

オオタカとの出会い

野鳥

雪の日のノスリ

今まで何もいないと思っていた近所の公園でも鳥に意識を向けてみるとモズ、カワセミ、ジョウビタキ、ノスリなど、実に多様な鳥たちが身近にいることに気づかされたのです。

彼らを探し、撮影し、スケッチする。そのプロセスすべてが楽しくてたまりませんでした。
引きこもりがちのイラストレーターですが、屋外での活動がいっそう充実し、絵を描く楽しさもさらに増していきました。

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チョウゲンボウのイラスト

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ノスリのイラスト

しかし今新たな悩みに直面しています。それは野鳥用のレンズが欲しくなってしまったのです。現在、単焦点レンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 PRO」の購入を真剣に検討しています。鳥をより大きく鮮明に捉えたいという理由もありますが、「鳥に近づきすぎず、彼らにストレスを感じさせない距離から撮りたい」という思いもあるからです。カメラを手にして、まだ2年ほど。今やOM SYSTEM のカメラは、僕の仕事にとっても趣味にとっても、なくてはならないものとなりました。そして春夏秋は昆虫、冬は野鳥と、1年中自然を満喫できるようになりました。

野鳥

チョウゲンボウ

野鳥

ジョウビタキ

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人生にもっと冒険を

カメラを持ったことで、「もっと遠くの場所へ行ってみたい」という旅への憧れも湧いてきました。昨年はインドネシアでコーカサスオオカブトやオウゴンオニクワガタを撮影してきました。採集できないような貴重な昆虫も、写真に残すことで一生の思い出にすることができます。今後も自分の足で、あこがれの昆虫を撮影しに行ってみたいと思っています。

オウゴンオニクワガタ

インドネシアで撮影したオウゴンオニクワガタ

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今の僕はまさに、OM SYSTEM ブランドのタグラインである『人生にもっと冒険を』状態なのです。

おしまい。

記事内で使用した機材

じゅえき太郎

じゅえき太郎

イラストレーター、画家、漫画家。
『第19回岡本太郎現代芸術賞』入選、『SICF16オーディエンス賞』受賞。
身近な虫をモチーフにさまざまな作品を制作
代表作は漫画『ゆるふわ昆虫図鑑』

著書
『ゆるふわ昆虫図鑑 気持ちがゆる〜くなる虫ライフ』(宝島社)
『昆虫戯画びっくり雑学事典』(丸山宗利氏共著/大泉書店)
『ゆるふわ昆虫図鑑 ボクらはゆるく生きている』(KADOKAWA)
『すごい虫ずかん ぞうきばやしをのぞいたら』(KADOKAWA)
『むし あつまれ!じゅえきくん』(Gakken)
『正直、仕事のこと考えると憂鬱すぎて眠れない。』(東洋経済新報社)

関連イラスト
『ジャポニカ学習帳』ショウワノート株式会社
『まどあけずかん むし』小学館
国立科学博物館 特別展『昆虫』
ミュージアムパーク茨城県自然博物館『昆虫展』
アクアマリンふくしま『じゅえき太郎のゆるふわ4コマ水族館』他
『大昆虫展 in 東京スカイツリータウン』
「ちょこっとTARO 太郎の森」岡本太郎美術館
ムシできない虫たち―暮らしの中の人と虫 福島県立博物館

『川崎フロンターレこども新聞』4コマ漫画連載中(川崎フロンターレ)