OM-1 Mark II × スキーフォトグラファー 松岡 祥子 ~OM SYSTEMで山岳滑降を撮影する魅力~
掲載日:2026年1月30日
掲載日:2026年1月30日
はじめに
こんにちは。山岳スキーフォトグラファーの松岡祥子です。
私は普段、山岳エリアで山スキーの写真を撮っています。今回は長野県の白馬で雪の日や晴れの日で撮影した作品をご紹介します。ご存知の方も多いと思いますが、日本の雪は世界的にも有名で「Japow」と称され、軽くて極上の雪と評判です。白馬はそのため欧米やアジアなど各国のスキーヤー・スノーボーダーであふれ、日本語より英語や中国語を聞くことの方が多いです。特に南半球の人達はバカンスを日本で過ごし、数週間単位で白馬に滞在します。
本記事では、山スキー撮影にどのぐらいOM SYSTEMのカメラとレンズが有効か、また今までの機材と比べて特に良いと感じた点などを、OM-1 Mark IIとM.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PRO(100-400mm相当35mm換算)と、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO(24-200mm相当35mm換算)を中心にお話いたします。

写真家 松岡 祥子
今回の松岡 祥子さんのメイン機材



なんといっても小型軽量
山スキーは自分の足で山を登って滑りますが、その獲得標高差は、多い時で1日に2000mにもなります。そうなると、荷物を軽くしないととてもその行程がこなせません。カメラやレンズ選びは「軽いかどうか」がとても重要になります。OM SYSTEMの製品は、どのメーカーよりも軽量コンパクトで、持ち運びが苦にならず、携行しやすいです。レンズを含めたカメラシステム全体の大きさと画質とのバランスの良さが絶妙だと感じました。
山岳スキーの撮影は、当然スキーでの移動になり、重い荷物を持って滑るのはなかなか難しく、また雪の舞う山中でレンズ交換は至難の業です。OM SYSTEMなら、小柄な私でも望遠と広角のレンズをそれぞれつけて、2台持ちもできます。山スキーは体力がとても重要で、荷物が重すぎて登れなかった、滑れなかったでは、疲労のため遭難につながりかねません。荷物が重くなればなるほど登るのはしんどく、滑るのは難しくなります。小型軽量は安全のためにも非常に重要な要素となるのです。
数あるOM SYSTEMのレンズの中でも、このM.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROは重さ1,075gと、フルサイズ機のレンズより軽量コンパクトに作られているため、山に持っていくのが苦にならない重さです。描写も美しくきれいにぼけるので、立体感や遠近感が出ます。
そもそも、フルサイズミラーレス機のレンズで、35mm判換算で100-400mm相当*でF2.8というスペックを持つレンズは聞いたことが無く、価格もお求め安くて驚きです。そんなすごいレンズを山で普段使いにできるのが、OM SYSTEMのすごいところだと思います。
また、私は地衣類の千差万別なデザインと色が大好きで、山スキーに行っては好みの地衣類を見つけてたくさん撮っています。自然の造形は本当に味わいがあります。どうやったらあの愛らしいデザインになるのか、本当に不思議です。人工物は見飽きてしまいますが、自然界のものは飽きないですね。
連写スピードが速い
スキーフォトグラファーの私がこのOM-1 Mark IIで非常に良いと思う点は、AF追従で1秒間に50コマ撮れることです。AF固定であれば、120コマ/秒の設定も可能です。50fps 対応レンズは主な仕様を参照ください。
山スキーはスピードと動きがあるため、連写機能が重要になります。今までは20コマ/秒のカメラを使っていて、「これとこれの間のコマが欲しかった」という事がよくありました。しかしOM-1 Mark IIで連写撮影をする分にはそれがなく、欲しいコマがしっかりと記録されていました。これは非常にありがたいことです。書き込み速度も速く、RAW撮りしても常識的な使い方をしていれば、連写スピードが遅くなったりすることはありません。しかもファインダー像の消失がないブラックアウトフリー対応なので、ファインダーを覗いて撮影をしていてもストレスがありません。
モデルになってくれた和田知穂さんはアルペンの元国体選手で、滑走スピードがとても速いです。そんなスキーヤーを撮るには50コマ/秒撮るカメラが必要になります。山岳スキー写真は一期一会の部分が大きいので、「撮り残したコマはない」ようにしたいところです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROのレンズもお気に入りの1本です。35mm判換算で24-200mm相当*の広いズーム域をカバーしながら、50コマ/秒の対応レンズ、更にレンズ内手ぶれ補正も搭載している隙が無いレンズです。OM-1 Mark IIとの組み合わせであれば5軸シンクロ手振れ補正にも対応し、高速連写を手持ちで簡単に撮影できます。
クリフジャンプをする人や、キッカーを飛ぶ人を撮る場合なども、この手ぶれ補正と連写性能があれば、ピッタリの一枚を撮影できると思います。以前の自分は連写枚数が足りないカメラを使っていたため、悔しい思いをしたことが多々ありました。
信頼の防塵・防滴、耐低温性能
過酷な状況で使える安心感は、雪山の撮影でも絶大です。OM-1 Mark IIは低温下においても確実に動作するため耐低温 -10℃ を実現しており、あらゆる過酷環境下での使用を可能としています。
雪山での撮影では寒いときにはマイナス10度以下になることがよくありますが、OM-1 Mark IIはいつも通りと言わんばかりに動作してくれました。寒いとバッテリーの消費が激しいので、予備のために1つ余分に持ち歩いています。カメラバッグやザックは寒いので、肌に近い衣服のポケットに入れて保温しています。このカメラではまだ泊まり山行をしたことはないのですが、以前テントなどに泊まった時は、バッテリーをもたせるために、カメラを寝袋に入れて、温めて寝ていました。
北アルプスの風の強いエリアで、稜線は雪が飛び、風下に雪が溜まります。少し置いておくとカメラも雪に埋まってしまいますが、動作に影響はありませんでした。
降雪の日にも撮影しましたが、この日は少し気温が高めだったのか、ボディやレンズの上で溶けて水になったり凍ったりしました。OM-1 Mark IIは多少の水滴であれば、水の浸入を心配しなくていいので大変ありがたいです。私は夏には沢登りもするのですが、濡れた手で触っても大丈夫なようなので、沢でも大活躍するカメラだと思っています。釣りをする方にもおすすめですね。
安心の手ぶれ補正機能
私はできるだけ荷物を軽くしたいので、山に三脚を持っていきません。 OM-1 Mark IIはカメラとレンズが協調して手ぶれを抑制する、5軸シンクロ手ぶれ補正機能が搭載されており、薄暗い夜明けや夕方の撮影も手持ちでこなせます。山スキーはルートによっては早朝の暗いうちから行動するので、この手振れ補正はありがたいです。
また、OM-1 Mark IIにはコンピユテーショナル フォトグラフィーという撮影機能があり、「ハイレゾショット」「ライブGND撮影」「深度合成撮影」「HDR撮影」などの多くの画像合成技術を用いた撮影が行えます。
今回は、山の撮影で重宝した手持ちハイレゾショットの作品をご紹介します。
画素数を気軽に上げたい、ノイズを軽減したい場合に非常に有効なメニューで、手持ちハイレゾショットか三脚ハイレゾショットかを選べます。手持ちハイレゾショットでは撮影後の処理時間を含めて約5秒程度かかりますが、複数枚合成することにより、通常撮影である約2,000万画素と比べて、約5,000万画素の多い画素数と、ノイズ約2段分改善の効果があります。画像をタップして是非、山肌のディテールを拡大して見てください。
OM-1 Mark II + ED 50-200mm F2.8 IS PRO
400mm相当*, Aモード, 1/400秒, F8.0, ISO 200
手持ちハイレゾショット撮影(約5,000万画素相当)
自然な色あい
OM SYSTEMのカメラとレンズは、自然な色味で描写が美しいです。
メーカーによっては、撮れる絵が、青みが強かっていたり紫がかっていたりなど、現像時に補正が必要だったりしますが、OM SYSTEMは人も自然もナチュラルな発色で、調整の量が少ない印象です。ピクチャーモードは「Natural」で撮っていますが、風景の中にいる人の肌の色味もきれいですし、屋外でのホワイトバランスも自然で優れていると思います。
また、OM-1 Mark IIにはAI被写体認識AFが搭載されており、今回撮影した山岳スキーの写真は全て、6つある被写体認識の中の1つ、「人物」の撮影モードにて撮影をしています。人物の動きや向き、 装飾品有無によらず狙いの被写体を継続して追尾AFしてくれるので、横向き、後ろ向き、目や口が隠れていてもピントを合わせてくれるので、安心して構図作りに専念する事ができました。
まとめ
山岳滑降としてのOM SYSTEMの魅力は、「小型軽量」「連写スピードの速さ」「価格」「信頼性」だと思います。軽いので山行によっては2台持てますし、1秒50コマ連写は撮り残しがありません。山に持っていく以上、防塵・防滴、耐低温はとても心強い機能の1つです。
もしも難しい山に挑戦する場合など、どうしてもレンズ1本だけを選ばないといけないのであれば、 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROがおすすめです。広角から望遠まで撮影でき、寄ってマクロのようにも使えるため、テントの中を写すなども撮影が出来てとても重宝します。
今回撮影した白馬は北アルプスの麓にあり、標高が高く雪が多くて寒いところです。そんな環境のおかげで、誰もが軽い雪を楽しむことができます。冬の間は風雪強く晴れる日が少なく、そんな日は標高を下げて林の中を滑ることを楽しみます。晴れた日は標高を上げて、視界の開けたアルパインエリア(およそ標高1900m以上)に移動して山岳滑降を楽しみます。その場合は登山計画書を提出し、ビーコンという発信器を身に着け、スコップやゾンデを持って滑ります(雪崩対策。しかし雪崩れやすい日は事前にある程度予想がつくので、山に入らずゲレンデで楽しむなど、無理せずリスク管理をしています)。山岳エリアを滑る人達は年々増え続けていますが、みなさん雪崩講習を受けてトレーニングを積むなど、まじめな方が多いです。
私は美しく厳しい自然に身を置く山岳滑降に魅せられて、20年以上日本の山を滑ってきました。北から富良野、ニセコ、八甲田、八幡平、鳥海、月山、蔵王、吾妻、桧枝岐、尾瀬、谷川、越後、妙高・頚城、北アルプスは白馬三山・鹿島・爺、立山剱に笠・薬師、乗鞍、御嶽、白川郷、黒部横断、ジャパンオートルートなどです。東京に住んでいると、どこの山も遠いですが、逆にどこの山にでも行くことができます。自分は色んな山を滑ることを楽しみとしていて、特に初めて滑るルートは、とてもドキドキします。まだ利尻と白山と大山には行ったことがなく、そのうち行ってみたいと思っています。
こんな豊かな雪山という資源を持つ日本を、みなさんにも知っていただきたく、それを伝えるのが写真の持つ力で、自分にできることかなと思っています。
みなさんもぜひOM SYSTEMの小型軽量カメラでハッピーマウンテンフォトライフを送ってください。
*35mm判換算値
松岡 祥子
秋田県生まれ、東京都在住、山岳スキーフォトグラファー。
小中学校時代はノルディックスキー、成人して基礎スキー、2004年頃から山スキーを始める。
白馬岳で菊池哲男氏に出会い、一眼レフで山スキーの写真を撮り始める。
スキーアルピニズム研究会に所属し、山岳滑降の三浦大介氏に師事、初滑降の撮影などを行う。
サポートメーカー MILLET



