次の1本
- もっと自由に撮るために - はじめてのレンズ選び 【第5回】
掲載日:2026年09月09日
掲載日:2026年09月09日
こんにちは、フォトグラファーの鎌田風花です。
今回は、「次の1本」のレンズ選びについてお話しします。キットレンズで撮り続けてきた方も、いろんな写真を見れば見るほど、気になるレンズが出てきたのではないでしょうか。自分の撮りたいものに合わせたレンズを選ぶことで、楽しさがより広がります。
目次
レンズを変えると、何が変わる?
カメラを始めてしばらく経つと、「もう少しボケ感が欲しい」「もっと近づいて撮りたい」「暗い場所でも綺麗に撮りたい」というような気持ちが出てくると思います。それらはレンズを変えることで解決することが多いです。
カメラ本体もそうですが、レンズも写真の表現に大きく影響します。レンズを変えるだけでボケの量や質感、解像感なども変わってくるので、大切な要素のひとつとなります。レンズは写真の表現を広げてくれる存在、とも言えます。
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 IIはPENによく似合うコンパクトなレンズですが、高画質でボケ感も美しく、撮っているときに満足感があります。小さな花ですが、花びらの質感までしっかりと描写されていました。
撮りたいものから選ぶ、レンズ選択
レンズ選びで迷ったときは、「何を撮りたいか」から考えるのがおすすめです。「花に寄って撮るのが好き」「部屋の中で撮ることが多い」「旅行に行くときにいろんなものを撮りたい」など、人によって目的は様々です。スペックや価格も大切ですが、自分が撮りたいものや表現したいイメージを明確にすることで、自然と選ぶべきレンズが見えてきます。
花や小物のアップを撮る|M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
水滴をまとったスターチスの花をマクロレンズで撮影しました。花が淡い紫色だったので、背景を暗くしてよりキラキラ感が際立つようにしています。小さなものを大きく写し、細部まで美しく描写するのは、マクロレンズだからこその世界観です。
猫や小物を、明るくボケ感のある雰囲気で撮る|M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II
部屋の中で撮影すると、背景が雑多になってしまうことがありますが、ボケ感が大きいことで写真がすっきりと見え、より主役の存在感が増します。光量が少ない場所でも、明るく撮影することができます。
自然な遠近感と美しいボケで人物を撮る|M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
中望遠レンズならではの自然な遠近感で、ふたりの距離感や関係性をそのまま写し取りました。背景も程よくボケ、部屋の雰囲気が伝わります。広角レンズで近づいて撮ると、顔の輪郭などが誇張されることもありますが、中望遠で少し距離を取ることで、自然でやわらかい印象になります。
街や旅行、様々なシーンに対応できる標準ズーム|M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 III
展望台から、カラフルな船を見つけたときの1枚です。展望台なので、私自身はあまり前後に距離をとることができなかったのですが、中望遠までカバーしてくれるズームレンズのおかげで、船を主役にして構図を考えながら撮ることができました。標準ズームレンズは手元からすこし遠くのものまで、とっさのタイミングでも切り取れる汎用性があります。特に旅や風景撮影などで活躍することが多いように思います。
単焦点とズーム、どちらを選ぶ?
単焦点レンズにするか、ズームレンズにするか、という点も迷ってしまうポイントだと思います。それぞれの特徴を理解しておくと、選びやすくなります。
単焦点レンズは、焦点距離が固定されていてズームができません。その分、F値が小さく明るいレンズが多いため、背景をふんわりとボカしたいとき、暗いシーンでの撮影や室内の自然光だけで撮りたいときに力を発揮します。また、ズームができない分、自分が動いて被写体に近づいたり離れたりします。構図を意識することになり、撮影の基礎が身につきやすいのでスキルアップにも繋がります。
前ボケにした葉っぱで、花をふんわりと包み込むように撮影しました。主役の立体感やボケのやわらかさは、単焦点レンズならではの特徴です。
ズームレンズは、1本で幅広い焦点距離をカバーできるのが魅力です。旅行や街撮りなど、様々なシーンで撮りたいものが変わるときや、レンズ交換の手間を減らしたいときに向いています。
旅先で見つけた路地も、ズーミングをするだけで画角の中に入れたいもの、省きたいものを整理することができます。
まずはキットレンズで様々な被写体を撮影し、慣れてきたら次の1本としてボケ感を簡単に出すことができる25mm F1.8 II や17mm F1.8 IIを使ってみるというのもおすすめです。迷ったら、自分が一番撮りたいものをイメージしてください。
自分の撮影スタイルで、写真を楽しむ
レンズ選びのお話をしてきましたが、最終的に大切なのは「撮り続けること」だと思っています。どんなに良いレンズを持っていても、カメラを持ち出さなければ写真は生まれません。
PENを選ぶ理由は、小さくて持ち出しやすいから、デザインが好きだからなど、人それぞれだと思います。私がPENを選ぶ理由は、天候に左右されることなく、なんでもない日に持ち出しやすいからです。偶然出会ったシャッターチャンスをPENで思うままに撮れる。「このカメラを持って出かけたい」と思えることが、写真を続ける原動力になります。
さらに、撮り続けるうちに、自分が好きな被写体や光の状況、撮り方の癖などが見えてきます。それが少しずつ、「自分のスタイル」になっていきます。自分が好きだと思う写真を撮り続けることが、写真を楽しむことでもあります。カメラやレンズは、その表現を支えてくれる道具です。撮りたいものが増えたとき、新しいレンズを加えてみてください。きっと、楽しさが広がりますよ。
知っておきたい撮影マナー
最後に、撮影マナーについてもお伝えします。マナーを知っておくことで、撮影の場での不安が減り、もっと自由に撮れるようになります。
人物を撮るとき
特定されるような人物を撮るときは、声掛けを行います。スナップ撮影なども、相手への配慮が大切です。また、撮った写真をSNSにアップする際は、正面や後ろ姿に関わらず、本人だと特定できる場合は肖像権への配慮も重要です。
花や自然を撮るとき
植物園や公園では、立ち入り禁止区域への侵入、花や植物を踏み荒らすことは絶対に避けましょう。
建物や施設を撮るとき
施設内に撮影禁止の表示がある場合は必ず従いましょう。(撮影可否が不明の場合は確認しましょう。)撮影ルールが定められている場所では、事前に確認しておくと安心です。
動物を撮るとき
人間本位にならず、動物を驚かせたり、不安にさせたりする行為はNGです。動物園などでも、禁止事項は必ず守りましょう。
SNS投稿時の注意
他人のプライバシーに十分配慮しましょう。自身の居住地など、位置情報なども無闇に載せてしまうと特定に繋がってしまいます。気軽に交流ができるからこそ、相手への配慮が大切です。
これは何年も写真を撮り続け、SNSを続けている私自身も、改めて身を引き締めるべきことでもあります。マナーを守ることで、撮れる場所や機会が広がります。お互いが気持ちよく過ごせる場所で、写真を楽しみましょう。
まとめ
5回にわたって、花・猫と小物・人物・街と、様々な被写体の撮り方やカメラの楽しさをお伝えしてきました。撮るたびに新しい発見があって、「次はこんなものを撮ってみたい」という気持ちが、皆さんの中に少し膨らんできていたら嬉しく思います。特別な場所に行かなくても、撮りたいものは日常の様々な場面にあります。
また、レンズを1本加えるだけで写真の表現は広がり、光や露出を意識すると同じ場所でもイメージの異なる写真が撮れます。大切なのは「撮りたい」と思う気持ちです。
ぜひPENを片手に、新しい1歩を踏み出してみてください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
*35mm判換算値
鎌田 風花
兵庫県神戸市在住。ナチュラルで透明感のある風景写真やポートレートを得意とし、暮らしや日々の小さな幸せを写真で表現することを大切にしている。
家族写真の出張撮影や広告撮影をはじめ、写真教室の講師としても活動中。




