人物を撮る - 大切な人の、今日を残すために - はじめてのレンズ選び 【第3回】
掲載日:2026年09月09日
掲載日:2026年09月09日
こんにちは、フォトグラファーの鎌田風花です。
大切な人の笑顔や、何気ない日常の一場面。そういった瞬間を写真に残したくて、カメラを手にする方も多いのではないでしょうか。
人物写真は、撮る技術よりも先に、撮りたいという気持ちが大切です。まずは難しく考えなくても大丈夫。この記事では、自然な表情を引き出すための小さなコツや、PENが人物撮影に向いている理由など、人物写真をもっと楽しむためのヒントをお伝えします。
目次
人物写真は、その場の空気感を残す写真
人物写真の魅力は、その瞬間ごと写真として残せることです。笑顔やふとした表情、家族と過ごす何気ない時間。そういった一枚が後から見返したときにその日の空気感ごと思い出させてくれます。
上手に撮れるかどうかより、まずはシャッターを切ること。花や風景と違い、人物は表情も動きも常に変わります。難しいけれど、自分が好きだと思う瞬間が撮れたときの嬉しさは格別です。撮り続けることで自然と「その人らしい一枚」が撮れるようになっていきます。
PENだから撮れる人物写真
大きくて存在感のあるカメラを向けられると、撮られる側は思わず緊張してしまうことも…。その点、PENはコンパクトで圧迫感が少ないため、自然な表情を引き出しやすいです。
またPENはデザインがシンプルで親しみやすく、カメラに慣れていない方でも「撮られることへの抵抗感」が生まれにくいように感じます。実際にPENを使って人物撮影をしたときも、スマホカメラの延長線上のように、堅苦しくない雰囲気で撮影することができました。カメラのデザインや大きさが、撮る側と撮られる側の距離を縮めてくれる。それもPENが人物撮影に向いている理由のひとつです。
さらに、瞳AFも人物撮影を助けてくれる心強い味方です。人物にカメラを向けると自動で瞳を検出してくれるので、ピント合わせに迷うことなく、表情や構図に集中して撮影することができます。動き回る子どもを撮るときや、会話しながらシャッターを切りたいときにも、瞳AFがあるだけでぐっと撮りやすくなります。
小さくて軽いカメラなので、家の中でもさっと手に撮れる気軽さも魅力です。
あっという間に成長するその姿を、あえて一部分だけ切り取るような撮り方もおすすめです。
たとえば、お母さんの上に座っているサイズ感や、手元など。今しか残すことのできない瞬間は、表情を写す以外にもたくさんあります。自分なりの視点を意識してみてください。
自然な表情を引き出すために
人物写真で難しいのは、自然な表情を引き出すことかもしれません。「撮るよ」と声をかけた瞬間に表情が固まってしまう、という経験はないでしょうか。
私がよく実践しているのは、カメラを構えたまま会話を続ける、ということです。話しかけながらシャッターを切ると、相手はカメラよりも会話に意識が向くため、自然な表情が生まれやすくなります。何かを一緒にしながら撮る、というのも効果的です。料理をしている姿、本を読んでいる姿、ママとお話している姿。何かに夢中になっているときの表情は、構えて撮るよりずっと自然です。
また、連写機能を使うことも大切です。表情は一瞬で変わります。連写で何枚か撮っておくと、その中に「この瞬間が好き」という一枚が混ざっていることが多いです。撮ったあとは、ぜひ一緒に写真を見て見ましょう。
いつものよう遊んでいる様子を撮らせてもらいました。ダイナミックに動くような瞬間は、特に連写撮影が活躍します。「せーの」と声を掛けながら、ジャンプと同じタイミングでシャッターボタンを押し続けます。大きな動きがあるシーンでは、シャッタースピードを1/1000秒以上にするとぶれにくくなります。
お母さんと仲良くお話ししている瞬間を切り取りました。可愛い笑顔に寄って写してもいいですが、余白をつくることで、その場の空気感や被写体の存在感を引き立てることができます。
「うまく撮ろう」と力まず、その場を一緒に楽しむような気持ちで撮ることが、自然な表情を引き出すことへの近道になります。
焦点距離で変わる、人物写真の印象
レンズの焦点距離は、写真の印象を大きく左右します。同じ人物を同じ場所で撮っても、焦点距離が変わるだけで、背景の写り方や人物の雰囲気がガラリと変わります。
キットレンズの広角側で撮ると、背景が広く写り、人物がいる場所の雰囲気ごと伝えることができます。室内でも屋外でも、その場の空気感を一緒に残したいときに向いています。一方、中望遠レンズ(M.ZUIKO 45mm F1.8など)で撮ると、背景が自然にボケて人物が際立ちます。表情をしっかり写したいとき、背景をすっきりさせたいときにおすすめしたいレンズです。
距離感によって表現できる雰囲気が変わってくるので、どんな風に撮りたいかをイメージしてレンズを選ぶと良いでしょう。右側に壁を前ボケとして入れることで、二人をそっと覗くような視点が生まれます。中望遠レンズはこのような前ボケを簡単に作ることができます。
また、焦点距離が長くなると、顔の輪郭が自然に写るという特徴もあります。広角で人に近づいて撮ると、顔のパーツが誇張されて写ることがありますが、中望遠で少し距離を取って撮ると、自然でやわらかい印象になります。これが、ポートレートに中望遠レンズが好まれる理由のひとつです。
どちらのレンズが正解ということはありません。その場の状況や、残したい雰囲気によって使い分けてみてください。
AI被写体認識AFが人物写真を変える
PENには、AI被写体認識AFという機能が搭載されています。カメラが自動で被写体を認識し、ピントを合わせてくれる機能です。人物撮影においては、この機能をONにするだけで、シャッターチャンスを逃しにくくなります。
一連の流れで、動きのあるシーンを撮影しました。遊びながら撮影すると、写真を通して楽しいという気持ちが伝わるように思います。
撮り始めの頃は、まずAI被写体認識を活用して、表情や構図に集中することをおすすめします。カメラが被写体へのピント合わせを担当してくれる分、撮影者は「瞬間を見つけること」に専念できるので、気持ちにゆとりが生まれます。そうすると、撮影の楽しさも感じることができるようになります。
綺麗なものを見つめる眼差しに心が動かされ、ゴロゴロしている瞬間を撮影しました。片目が隠れてしまっても、AI被写体認識AFのおかげで瞬時に瞳にピントが合いました。
まとめ
大切な人の表情や、何気ない日常の一場面。そういった瞬間は、あっという間に過ぎてしまいます。だからこそ、カメラが手元にあれば、そんな瞬間をいつでも残すことができます。
会話しながら撮る、連写を使う、AI被写体認識AFを活用する。少しのコツとPENの機能を組み合わせることで、自然な表情の一枚が撮れるようになっていきます。うまく撮ることができなかった日も、撮り続けることで少しずつ、「その人だから撮れる一枚」になります。
後から見返したとき、何気ない一枚が宝物になっていることがあります。今日のその表情を、ぜひPENで残してみてください。
次回は、街を撮る楽しさをお伝えします。
*35mm判換算値
鎌田 風花
兵庫県神戸市在住。ナチュラルで透明感のある風景写真やポートレートを得意とし、暮らしや日々の小さな幸せを写真で表現することを大切にしている。
家族写真の出張撮影や広告撮影をはじめ、写真教室の講師としても活動中。




