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録音で、通じる英語を身に付ける方法:録音で英語が上達するICレコーダー活用法

アルクの英語学習特集|“録音”で、通じる英語を身に付けるとっておきの方法|録音で英語が驚くほど上達する川合式ICレコーダー活用法

更新情報

  • ※2012年12月26日公開分にて更新は終了となります。ご愛聴ありがとうございました。
    更新はありませんが、バックナンバーはお聴きいただけます。引き続きお楽しみ下さい。

録音で英語が驚くほど上達する川合式ICレコーダー活用法

アルクの英語学習誌『ENGLISH JOURNAL』をはじめ、さまざまなメディアで活躍中の川合亮平さん。イギリス人やアメリカ人にネイティブスピーカーと間違われるほど流暢な英語で、精力的に取材やセミナーをこなしています。そんな川合さんにとって、仕事柄、ICレコーダー(録音機器)は欠かせないツールのひとつ。プロのインタビュアーの立場から、ICレコーダーで「英語を録音する」ことで着実に英語のコミュニケーション力を高めるポイントを伝授してもらいましょう!
公開日:2012年7月18日

日本人の英語はどうして通じない?

通じる英語が身に付く!!録音を使ったとっておきの英語学習法とは?(提供アルク)

ナビゲーター 英語学習法セミナースピーカー/ジャーナリスト 川合亮平

20歳から独学で英語学習を開始。アルクの通信講座『1000時間ヒアリングマラソン』で3年後にTOEIC(R)テスト970点取得。その後も英語カラオケやICレコーダーなどの録音機器を活用し、飛躍的に英語力を伸ばし続け、現在はジャーナリストとしての活動のほか、大手企業の社員対象に英語学習指導を行う。自他ともに認めるイギリス&イギリス英語好き。近著に『イギリス英語を聞く』シリーズ(共著・コスモピア刊)。

日本人には遠い?「通じる英語」までの道のり

日常会話やビジネスシーンなどでは、発音や文法の正確さより「話の内容が相手に通じることが優先」と認識されつつあります。世界的に英語を母語としない英語話者が増えたという時流もあるのでしょう。

その考えには基本的に賛成なのですが、日本人にはその「通じる英語」のレベルに到達するまでが、どうしても難しいようです。母語の影響で訛りが強く思えるインド人や中国人の英語より、「日本語英語」の方がネイティブスピーカーには通じにくいとさえ言われています。

脳にインプットされない音はアウトプットできない

日本人の英語が通じにくい理由、その代表格がイントネーションでしょう。日本語という言語は英語に比べフラットで抑揚が少なく、「あいうえお」の発音も割合均等です。それに慣れてしまった日本人が英語を話す場合、多少大げさに、意識的に音に強弱をつけて話すくらいがちょうどいいのです。

その音の強弱ですが、強調するより「弱く、適当に発音する」方が難しいんです。“I should have done it yesterday.”と言う場合、ネイティブは律儀に「アイ シュッド ハブ ダン イット イエスタデー」とは発音しません。実際はshould haveをかなり適当に「シュドゥヴ」という感じで言います。この力の抜き加減がネイティブらしい音、「通じる英語」につながるんです。

そもそも日本語と英語では周波数(空気を伝導する音の振動数)が異なるため、英語には日本人の耳では言葉と認識できない音がたくさん存在すると言われています。英語のフレーズが聞き取れないということは脳にインプットされないわけで、当然ながらアウトプット、話すこともできません。

自分の英語取材を録音して大ショック

そうした弱点の克服に一役買うのが録音するということです。
僕自身、ICレコーダー(録音機器)をきっかけに、英語学習へのアプローチが一変しました。

2007年夏「階級によって異なるイギリス英語」という雑誌の企画で、ロンドンのさまざまな人に英語で取材し、ICレコーダーに録音するという仕事を請け負いました。初めて自分の英語を録音し、客観的に聴いてみて……愕然としました。発音やイントネーション、ボキャブラリー、話を引き出すテクニックなどすべてにおいて僕の英語があまりに心もとなかったからです。

当時録音した自分の英語を改めて聞き返したり、振り返ったりすると、つくづくその時の英語の未熟さを思い知らされます。
─ ナチュラルな英語でスムーズにアウトプット(スピーキング)できない理由は、インプット(リスニング)の量が圧倒的に足りないせい。
─ なぜなら、人間は自分の脳にないものは、再生できないからだ。

現実とのギャップを埋めてくれる録音機器、ICレコーダー

そこで、当時は会社員だったので、約2時間の通勤タイムを利用して、多種多様な英語音源を大量に録音し、インプットする「多聴」に取り組みました。

僕が教材としてよく選んだのは、英国放送協会(BBC)のポッドキャスト番組(主にラジオ放送のダイジェスト)。教材っぽくないいかにも生の声、というのが好みでした。ビジュアルがない分、聴くことに集中しやすく音の細かい機微に気付きやすいのです。このICレコーダー(写真右参照)もそうですが、今はラジオ放送の予約録音機能がついたICレコーダーがありますから、英語放送を録音し、好きな時間に聴くのも、お勧めです。英語のスピードが早過ぎて上手く聴き取れない場合は、遅聞き機能や、気になるところを繰り返し聴けるリピート機能を使うとよいでしょう。

また、通常の英語素材を多聴するのに加え、ICレコーダーで録音した自分の英語を何度も聴くというのもポイントです。録音した自分の英語を聞くことで、客観的に自分のクセや弱点を把握してから、目標とする英語を聞き続けると、脳の中で無意識に目標と現実とのギャップを埋めてくれる感覚を覚えます。さらに続けると、インプットされたものがスピーキングに還元されるのを実感しました。


ICレコーダー ボイストレックV-803

当時は(今も)、尊敬してやまないイギリスのコメディアン、リッキー・ジャベィスのオーディオブック・シリーズもダウンロードして聞きまくりましたが、彼の英語、口癖だけでなく、言葉の選び方、テンション、思考までが乗り移ってきました。実際、イギリス人との会話で彼のユーモアセンスが意図せず口から出てきて、笑いをとれた時は快感でした。

スポーツと同じで、野球選手が自分のバッティングフォームを撮影し、何度も繰り返し見直すように、英語学習でも録音した自分の英語を何度も繰り返し聴いてみるのが上達への道。それには、ICレコーダーのような録音機器が最適でしょう。

「高音質」「すぐ録音できる」ICレコーダーを使った英語克服法

本格的に英語を学ぼうと思ったら、どうしても、高音質で録音や再生ができること、そして思い立ったらすぐに録音できることにこだわるべき。僕は耳から学ぶタイプなので音には敏感だし、英語の微妙な音を聞き逃したくないと思っています。

特に、3人以上が参加する英語の会話は、同時に別の人が話す英語が重なることがあり、英語学習者にとってかなり聴きにくいでしょう。簡単なプレゼンや外国人と一対一で話すのはできるけれど、複数以上の外国人が話している会話が聴き取れない、途中から混ざることができない人って、案外いるんじゃないでしょうか。

それにもICレコーダーを使った手軽な克服法があります。
「3人以上の人間が英語で対話する音源を録音して聞く」です。
ニュースや演説などのモノローグを聞くだけでは、対話の訓練はできません。複数の人が話している場面、ディスカッションなどを録音し、聞いてみてください。相づちや会話に割り込むタイミングなど、円滑でスマートなコミュニケーションの参考になります。

ただ、騒がしい場所での録音音源、複数の人が一度に話す声は聞き取りにくいので、やはり録音・再生が高音質で可能なデバイスを選ぶのがコツです。

相手への思いやりが「通じる英語」のスタート

英語を録音し、再生して聞く際のポイントについて。
自分の英語のイントネーションや発音が正しいか、同じ単語ばかり使ってないかなどをチェックするのは必須ですが、より注意を向けたいのは「相手」です。

「相手が心地よく話し、問いかけに返してくれているか?」
僕自身、プロのインタビュアーとして、英語の上手下手以前に相手の気持ちを重視しています。相手の言葉をさえぎらない、答えやすいように質問の内容や投げるタイミングを工夫しようなど、常に心掛けています。

英語を学ぶ人は「たくさんしゃべりたい!」となりがちで、相手の態度や言葉にまで意識をめぐらす余裕がないことがしばしばです。英会話レッスンならそれでいいのですが、実際の会話では英語だろうと日本語だろうと、人の話に耳を傾けないで円滑なコミュニケーションが成立するはずはありませんよね。

新しいICレコーダーの活用法「音声アルバム」

最後に、「英語を録音する」中で、僕が最も好きな方法を教えます。
それは「音声アルバム」です。
イベントがあると記念写真を撮るような感覚で、僕の場合はICレコーダーを持参し、そこで交わされる英語の会話を録音して、それをためておくんです。海外で参加した英語の観光ツアー、外国人の友達とともに過ごしたディナー、子どもたちのかわいい歌声……ネイティブスピーカーが、人に配慮しながらどのように受け答えするかを学びつつ、聞き返すたびに楽しい思い出がよみがえり、とても幸せな気分になれますよ。

どうぞ皆さんも、英語をたくさん録音し、楽しく活用してみてください!