掲載日:2022年10月26日
山に登り始めて6年。もっと山に接していたいという気持ちが強まり、北アルプスのとある山小屋で働くことにしました。
私は、山に登り始めるまで本格的な運動はしておらず、自慢できるほどの体力も持ち合わせていませんでした。体力が無いのは今も変わりませんが、そんな私でも山に登り、写真を撮り、こうして皆様に写真をお届け出来るのは、OM SYSTEM が傍にいたからです。
山小屋仕事の休憩時間、僅かなチャンスを見つけたら三脚など何も持たず、サッとOM-5だけを持ち出す。一歩外に出れば、北アルプスの壮大な景色。OM-5はどんなときも、私の思い通りに景色を描いてくれました。
こちらは、日本百名山のひとつ薬師岳(2,926m)からの景色。休憩時間に登頂したのですが、OM-5とM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROという身軽な装備のおかげで、軽快に歩くことが出来ました。
太郎平小屋から北ノ俣岳方面に歩いて20分。この景色が好きで、休憩時間になるといつも足を運んでいました。
私が好んで使うのは「ポップアートII」です。コクのある鮮やかな色が草花などの湿度を、引き締まったシャドウ部が山肌などの質感を強調してくれるのでお気に入りです。
ただし、日差しの加減によってはシャドウ部が暗くなりすぎ、ハイライト&シャドウコントロール機能での調整が必要なことも。そうした細かい調整がカメラひとつで出来ることも、OM-5を好む理由のひとつといえます。
この日は薬師岳の山肌が焼けそうだと予感し、インターバル撮影を試みました。
インターバル撮影とは、一定間隔で繰り返し撮影を行う機能のこと。夕日など露出変化が大きい時間帯はドラマチックではありますが、明るさの変化を滑らかに捉えることが難しい場合がありました。
しかし、OM-5には「露出平準化」機能が搭載され、そうした不安を感じることなく撮影出来るようになりました。タイムラプス動画設定を「ON」にすれば、動画で保存することも可能です。ぜひ、動画にて薬師岳の夕暮れをお楽しみください。
渡渉中、気を引き締めて歩きましたが、水しぶきがかかることもしばしば。それでも、OM-5はIP53を有する防塵・防滴性能なので安心して歩くことが出来ました。
防塵・防滴の恩恵を語るにあたり、「変わりやすい山の天気でも安心して持ち運べる」と言い続けてきましたが、このようなシーンで恩恵を受けることになるとは。ストレスなく持ち歩けるからこそ、撮れた一枚だと感じています。
小屋前には小さな滝があり、ハイシーズン中の忙しい時期は清流に癒されていました。
山において沢や滝はたびたび目にする景色。ですが、歩き疲れてくるとNDフィルターを装着する手間さえ煩わしく感じることがあります。だからこそ、「ライブND」は待ち望んでいた機能でした。
ライブNDは最大4段分(ND16)の減光が可能です。明るい場所でしたが、1.3秒と遅めのシャッター速度に設定できたおかげで、滝を白糸のように写すことができました。手持ち撮影にも関わらず岩肌がぶれていないことに驚きです。ボディー単体で最大約6.5段分の手ぶれ補正が働くからこそ手軽にライブND機能を楽しめる。そして防塵・防滴。これ以上、山との相性が良いカメラは無いでしょう。
ちなみにですが、こちらの作品もカラークリエーターを併用しました。水のイメージがより伝わるよう、シアンに近い色相を被せて撮影しています。
山小屋仕事の休暇で訪れた高天原温泉。その先の夢ノ平にひっそりとある小さな池。北アルプス最奥にあるため、訪れる人は殆どいません。
一泊二日の休暇だったので、身軽に動こうと三脚を置いて出かけました。そして出会った夢ノ平の絶景。池に映り込む景色、樹木や草花の質感、秋の気配を含んだ光と風。ひとつ残らず繊細に記憶したいと思い、迷わず「手持ちハイレゾショット」機能を選択しました。
手持ちハイレゾショット機能は撮像センサーを移動させながら12回の撮影を行ない、1枚に合成して高精細な画像を得る機能です。三脚を使用せず撮影出来るので大変助かっています。風などで被写体が動いた部分はぶれが生じますが、私は表現として楽しんでいます。
ハイレゾショット撮影時には、アートフィルターと併用しての撮影は出来ませんが、カラークリエーターと併用することで、より一層記憶のイメージに近づいたと思います。
山小屋の中で過ごす時間は、厳しい自然環境にあるからこそ贅沢で有り難い時間だと感じます。だからこそ、小屋の中での営みも大切に残したいと思いますが、室内の僅かな明かりでの撮影は手ぶれもつきものです。
ですが、OM-5はボディー内の5軸手ぶれ補正により、最大約6.5段分もの補正機能を持つので、よほどのことが無い限り、手ぶれで失敗することはありませんでした。
この夏、OM-5とともに過ごして感じたこと、それは「安定」と「進化」でした。
これまで通りの安定した携帯性、耐久性、操作性に加え、新たに加わったコンピュテーショナル フォトグラフィとしての機能である「ライブND」や「5000万画素手持ちハイレゾショット」など、表現性の進化が加わり、山で撮る喜びや楽しみを教えてくれるカメラであることを実感させられました。
しかし、大事なのはボディーだけでなく、レンズも含めたOM SYSTEM 全体のバランスです。ボディーが高性能かつ小さくても、レンズが大きくては意味が無いからです。その点、OM SYSTEM は、ボディーもレンズも小さくて軽い。
私が山に目覚めたのは年齢的に遅いほうかもしれません。それでも山に登りたいと思うのは、自分の足でしか辿り着けない絶景があるから、そしてその絶景を記憶のままに残せる相棒=OM SYSTEM があるからです。
山、そしてOM-5に出会え、本当に幸せだなと感じられた夏でした。
※35mm判換算 焦点距離
高解像と美しくにじむボケを実現した40mm相当※ の、標準レンズに近い画角をもった、風景からポートレート、またスナップ写真に最適な PRO レンズです。
※ 35mm判換算