掲載日:2023年9月27日
2019年7月26日発売されたTough TG-6は早くも4年の年月が過ぎた。最強のアウトドアカメラとして鍛えられたボディーはそのまま引き継がれ、今回OM SYSTEMブランドとしてTough TG-7が新たにデビューすることになった。防水15m、防塵、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃、耐結露といったタフ性能はそのままに、色再現性の向上した液晶パネルの採用やワイヤレスリモコン対応など、使い勝手がさらに良くなったのは嬉しい。レンズ、画像処理エンジン、撮像センサー、バッテリーはTG-6と同様となり、TG-6で使っていたアクセサリーはシリコンジャケットを除きそのまま使用可能。ホールディングがさらにしやすくなったボディーはサイズ的にはTG-6とほぼ同じなので防水プロテクターもTG-6用のPT-059が使用できるのは朗報だ。
アウトドアカメラでは群を抜いて人気の機種であるTough TGシリーズは、普段使いの便利さから日常の記録をスマートフォンで撮影する時代となった中、唯一生き残った希少なデジタルカメラだ。スクーバダイビングを楽しむ方には、無くてはならない存在であり、多くのファンが今回の「Tough TG-7発売」のニュースを歓迎していることを容易に予想できる。今回、皆さんより一足早くTG-7を触る機会があったので、改めてTGの良さを再認識しながら撮影してきたので報告したい。
撮影しながら再確認したことは、
○どんなに過酷なフィールドでも確実に撮影ができること。
○レンズ一体型のコンパクト機だから携行に負担とならない。
○静止画も動画も満足いくクオリティーが得られること。
○システムが大きくなって、持っていくことが出来なくなったら本末転倒。
撮影しながらそんなことを感じることができた。
Tough TG-6から進化した箇所を抜粋してみた。
○ホールディングしやすいボディー形状
○色再現性が向上した液晶パネル
○Bluetooth機能の搭載
○インターバル撮影で露出平準処理機能の搭載
○インターバル撮影で撮影間隔優先機能の搭載
○縦位置動画に対応
○工事写真モード搭載
○USB端子が「Type B→Type C」に。
Tough TG-7をアウトドフィールド、特に水辺から水中で使うときに、ホールディングの性能アップに大きく違いを感じた。カメボディー前部にあるグリップとカメラ背面の親指が押さえる部分の材質&形状が変わっている。以前のモデルでは、水中でのホールディングと操作のしやすさは防水プロテクターを使った方が断然使いやすかった。今回のグリップ部分の変更によって水中でのホールディングも防水プロテクターを使った場合と同様レベルになった。安心感がグッと上がり、カメラ単体で水中撮影するチャンスが増やせた。
レンズリングを外すと気づくが、レンズ周辺のデザインが変更になっている。Tough TG-6に有った赤色のリング状のデザインが無くなり、不用意な光の反射で発生する写り込みを防いでいる。白地のブランドネーム「OM SYSTEM」と、「F2.0」のレンズスペックの表記が追加され格好良くなった。
明るい水中でも視認しやすくなった。細かいホワイトバランスの調整にも大きく貢献。今までのパネルは青みが強い感じがあったが、TG-7のモニターはニュートラルな発色になった。
ここから、Tough TG-7単体での水中シーンの撮影を紹介。
TG-7にはカメラに装着できる様々なアクセサリーが準備されている。記録写真ではなく、作品として残せるためのレンズバリーションが用意されているというわけだ。一眼カメラが、被写体や撮影環境に応じてレンズを交換すると同様にTG-7にも、広角レンズや望遠レンズ、フラッシュディフューザーなど撮影する立場になって「あったら良いなぁ〜」と思えるアクセサリーが充実しているところが嬉しい。
各作例と共に使用した撮影モードとアクセサリーを紹介する。
Tough TG-7では星空撮影も楽しむことができる。
必要なアクセサリーは三脚。必須ではないが今回フィッシュアイコンバージョンレンズも併用してみた。
TG-7のワイコンには2種類あるが星空撮影に向いていたのは「FCON-01」。
画角は「FCON-02」に比べて広くないが大きな歪みがなく星空撮影では画面の隅々まで解像が良く撮影ができた。
撮影モードは「ライブコンポジット」
星の軌跡を表現するのであれば30分間くらい合成を重ねる。
星を点で表現するのであれば45秒間くらい。あまり長いと星が光跡となり楕円を描くようにになる。
また、今回のTG-7では新たなアクセサリーとして「ワイヤレスリモコン RM-WR1」にも対応した。
記念撮影ではもちろんだが、星空撮影の際にはシャッターを押した際に発生するブレの心配もなくなるのでお勧めだ。
※RM-WR1に付属している有線リモコン用ケーブルは使用できません。
インターバル撮影をTough TG-7で楽しむことができた。
夕暮れ時に沖縄本島の西海岸へ行って、沈みゆく太陽のシーンをインターバル撮影で記録して、タイムラプス動画を自動生成させてみた。観光地での撮影であったため、三脚を立てていると、多くの方々が撮影中の液晶モニターを覗き込みにきて、三脚を蹴られないか心配で仕方なかった。
TG-7からは撮影コマ間で急激な露出変化にも対応できる「露出平準処理機能」が搭載された。
撮影モードは「水中スナップ」を選択すると良い。
露出補正は+0.3EV、ホワイトバランスは環境に応じて「水中ディープダイビング」もしくは「ワンタッチホワイトバランス」を選ぶ。
あと、水中ムービー撮影時に必要なカメラ側のセッティングは、ムービーデータのサイズの設定だ。
補助光があった方が発色は良く仕上がるのでお勧めしたい。
最大動画画質の4Kを選択した場合にはビットレートが高い撮影になるので記録するSDカードは、UHS-1 /UHSスピードクラス3のカードを使用することをお勧めします。カードの性能が低いと撮影ができないので注意が必要だ。
最近、スマートフォンで動画を楽しむ方が増えてきた影響もあるかと思うが、ムービーを縦位置で録画、再生することが多くなってきた。Tough TG-7でも縦位置で撮影したムービーは縦動画として収録される。これは便利だ。いくつかの縦動画を一つにまとめて見た。縦位置動画に慣れてくると意外にも、横より縦が自然に感じられるから不思議だ。
プロテクターの防水用Oリングの清掃とグリスアップを行う。
海を青く表現したい時、青過ぎにさせたく無い場合など、色々調整ができるのもTough TG-7の魅力です。
※Tough TG‐6やTG-5でも調整可能です。
水中では、カメラのフィールドセンサーが正しく作動しないので、カメラ上部にあるLOGレバーを「OFF」にしましょう。
防水プロテクター PT-059に同梱されている「反射防止リング」
Tough TG-7に標準装備されるレンズリングを取り外して、防水プロテクター内での乱反射を防ぐ反射防止リングと交換する。
反射防止リングの交換はレンズ横にあるレンズリング取り外しボタンを押して、リングを回すと外すことができる。
※反射防止リングは防水プロテクターに同梱されています。
【LV-info設定】
水中撮影時にはモニター上の情報をシンプルにしたいので水準器(垂直方向)表示画面やヒストグラム表示画面を非表示に。
「MENU」から「LV-info」を選択、「カスタム表示1、2」それぞれのチェックを外します。
※撮影中は「INFO」ボタンを押すと表示が切り替わります
【罫線表示設定】
撮影時に、構図や被写体の配置がしやすいように罫線を表示させる。
好みで罫線の種類、有無が選べる。
私は「方眼」表示を使っています。
【撮影画像の確認時間設定】
撮影後に、今撮った画像を自動的に表示するように設定されているが、初期設定では0.5秒とすごく短い。
設定で変更できるが、バッテリー消費にも影響が出るので、私は「1秒」に変更して使っている。
【ホワイトバランス(WB)の微調整】
Tough TG-7にプリインストールされている水中撮影向けの水中ホワイトバランスは水深や環境に合わせて3種類(水中浅瀬/水中標準/水中ディープダイビング)準備してある。しかもAUTO機能なので守備範囲はかなり広いのだが、フラッシュが使えないムービー撮影や極端に水中が濁っている場合など特殊な環境では、ホワイトバランスに微調整を施したり、他のホワイトバランスを選択したりする場合もある。
3種類の水中ホワイトバランス以外に私が使っているホワイトバランスには下記がある。
自然光撮影では、ワンタッチホワイトバランスも選択の一つに。
フラッシュ撮影ではAUTOホワイトバランスに補正を入れたものも選択の一つに。
海を青く表現したい時、青過ぎにさせたく無い場合など、色々調整ができるのもTough TG-7の魅力です。
※Tough TG‐6やTG-5でも調整可能です。
いかがでしたか?
Tough TG-7は簡単に撮影も楽しむこともできますが、ご自身のイメージに仕上げるための設定や機能が多くあります。ぜひご自身の設定や、好みのアクセサリーを使ってTG-7での撮影を楽しんでもらえればと思います。
今回はここまでの報告となりますが、まだまだ書ききれないほど、お伝えしたい情報や撮影のコツがあります。
セミナーやインスタライブなどでお会いした際には、色々とお伝えできればと思います。
*35mm判換算値
圧倒的なタフ性能やマクロシステム、さらには多彩な水中撮影機能を備えたTough TG-7であれば、険しい登山の中でも、深い海の中でも、あらゆるアウトドアシーンを切り取ることができます。
ズーム位置を変えるだけで全周魚眼、対角魚眼の2つを撮影できます。(焦点距離0.3倍)
*別売のコンバーターアダプター「CLA-T01」を装着する必要があります。
防塵・防滴設計、Bluetooth Low Energy対応のワイヤレスリモコン。
*水中ではご使用になれません
*TG-7は付属の有線リモコン用ケーブルは使用できません。