掲載日:2023年10月25日
広角域をこよなく愛する自分にとって万能すぎる高倍率ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO。このレンズを箱から出した時にその小ささと軽さに驚きました。見た目の大きさはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO IIとほほ同じ大きさ。重さもほんの少し重い程度で411gと軽く、手のひらに収まるほどコンパクトなボディはカメラバッグを圧迫することなく収まり気軽に持ち出せます。しかもこの一本で35mm判換算16mmから50mm相当までの焦点距離をカバーし、超広角のダイナミックな世界から人の視覚に近い普段目にする世界まで撮ることができます。自然風景、建築物、スナップ、ハーフマクロなどあらゆる種類の撮影ができ、荷物を軽くしたい旅行にも最適のレンズです。
写りに関しても、製品名に「PRO」を冠しているようにズーム全域で透明感のある美しい描写性能を発揮し、利便性と高画質の両方を兼ね備えた初心者からプロまで納得のレンズです。
このM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの性能や機能、それが撮影現場でどのように機能するかをみてください。
まずは焦点距離についてですが、16mm相当*で被写体に近づいて撮影する事で広角レンズ特有の近くのものは大きく、遠くのものは小さく写るパース効果が働き遠近感が強調されダイナミックな写真を撮ることができます。
写真のように川の流れがあったり、岩が転がっていて危険で近づけないような場所でもM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROレンズであれば、50mm相当*の望遠側を使用する事で危険な場所に入らずに撮りたい滝だけを撮影することもできます。
PROシリーズであるM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは優れたIP53相当※の防塵・防滴性能があり、-10℃の凍結温度まで動作できます。雨や塵、吹雪のような過酷な環境下でも気にせず使用でき、レンズ前面にはフッ素コーティングを備えているので湿気、汚れからも保護してくれます。
普通のカメラでは躊躇するような水飛沫のかかる環境や雨ふり時でも気にせず撮影できるので人とは違った構図を発見できるのも魅力です。
撮影時はあらかじめイメージを作って撮影地に赴きますが、この防滴性能のおかげで天候を気にせず撮影地に赴くことができ、その時の天候に合わせて面白そうな構図を発見しながら作品撮りする事も多くなりました。
この写真は水の流れの中に三脚をいれて撮影したものです。水の流れとレンズ先端との間隔がほとんどないのでカメラやレンズはどんどん濡れていくような環境です。普通なら慌ててカメラを回収するのですが、このレンズの防滴性能のおかげでじっくりと撮影する事ができました。写真中央や右側に黒い斑点となって水飛沫が写り込んでいます。
こちらは細かな砂や塵が飛ぶような環境で撮影したものですが、このような環境下でも防塵性能のおかげで臆する事なく撮影に集中できます。撮影後のカメラやレンズは細かな砂がついていましたが、写りに支障はなくしっかり撮影できていました。
IP53相当※の防塵・防滴性能と-10℃の環境下でも動作できるこのレンズは自然と一体となりストレスなく撮影に挑める素晴らしいシステムです。
※防塵機構/防滴性能を有するカメラとの組み合わせが必要です(カメラの規格に準じます)
レンズ前面に施されたZEROコーティングはフレアとゴーストを最小限に抑える優れた性能をもっています。
レンズが苦手とする逆光のシーンでも目立ったフレアやゴーストがほとんど発生せず安心して太陽をフレーミングして撮影することができました。
右の写真のように広角域での撮影では構図内に太陽をアクセントとして入れ印象的にすることが多々あります。フレアやゴーストが発生すると画像が全体的に白っぽくなったり解像感やコントラストが落ちたりするのですが、このレンズはコントラストや解像感が落ちるようなことはありませんでした。手前の草や石のあたりを見るとよくわかるのですが、シャープネスは際立ち立体感のある写真を作り出しています。
他のM.ZUIKO DIGITALレンズと同様にM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは、素早く滑らかなAFとサイレントフォーカスで動物などの予期しない動きをする被写体にも素早くフォーカスを合わせてくれます。動画撮影時にもフォーカスノイズを拾わないので非常に適しています。
自然風景をよく撮影するので山や森に入ることが多く、足元の植物や虫にレンズを向けることも多くあります。このM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは広角域から標準域をカバーしつつ、さらに最短撮影距離が23cmとマクロ撮影まで可能なのでわざわざレンズ交換することなくそのままハーフマクロの世界を撮ることができます。この時背後に鹿がいたとしてもレンズ交換することなくそのまま鹿を狙うことができるのでシャッターチャンスを逃しません。
この花は直径3~4cmほどの小さな花なのですが、M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mmF4.0 PROがあればここまで大きく撮ることができます。望遠側の50mm相当*でめいっぱい被写体に近づいて撮影すると、最大撮影倍率0.42倍*で撮ることができます。
広角側の16mm相当*にすると驚くほど被写体に近づくことができます。
どれくらい近づけるのかをスマートフォンを使用して横から撮ってみたのですがそれを見て驚きました。
被写体である葉っぱが覆い被さり、レンズ先端が大接近していました。この状態で撮影しても16mm相当*の超広角であれば周囲に広がる葉っぱを画角内にいくつも収めることができ、ワイドマクロな撮り方もできます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは非常に汎用性の高い焦点距離を持ち合わせ、全域に渡って優れたシャープネスと描写性能を発揮し、ハーフマクロやワイドマクロ、フィルターを装着することのできる万能な高倍率ズームレンズです。
さらに上の表現を求める人やこれから広角ズームに挑戦したい方、旅路に持っていくただ一つのレンズを求める方にぜひお勧めしたいレンズです。
*35mm判換算値