写真家 喜多 規子 × M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO~望遠マクロレンズで表現する自然風景写真~

掲載日:2023年6月7日

喜多 規子

喜多 規子

東洋英和女学院大学卒。写真家、前川彰一氏に師事。 日本国内の自然風景をテーマに光・色・フォルムを巧みに操り表現する。 アマチュア時代、多数のカメラ誌の月例コンテストにてグランプリや年度賞を受賞し、 フリーとして活動を始める。
2019年、個展『MOMENT』(富士フイルムフォトサロン東京・大阪・名古屋・福岡・札幌)開催。2020年『栞ーfour seasonsー』(旧オリンパスプラザ東京・大阪)開催。2022年『FORME(フォルム)』(OM SYSTEM GALLERY)開催。写真集に『 MOMENT 』(文一総合出版)、『FORME』(風景写真出版)、共著に『美しい風景写真のマイルール』(インプレス)、『極上の風景写真フィルターブック』(日本写真企画)がある。
『喜多規子フォトスクール』主宰。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。
公益社団法人 日本写真協会(PSJ)会員。

デジタル一眼カメラ

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ED 90mm F3.5 Macro IS PRO

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望遠マクロレンズについて

⾼い光学性能を誇るPROレンズシリーズに初となる望遠マクロレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」が2023年2月に発売されました。35mm判換算で180mm相当の画⾓で、最短撮影距離は22.4cm(S-MACRO 時)、最⼤撮影倍率は4倍*(S-MACRO 時)と⾁眼を超える驚きのスペックです。
現在「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」の2本のマクロレンズをラインアップしていますが、それらに⽐べて、ワーキングディスタンスと稼ぐことができるので、⾃然⾵景だけではなく⼩動物や昆⾍などの接写にも適したレンズです。

使った印象

M.ZUIKO DIGITALレンズはどれも⽐較的最短撮影距離が短く被写体に寄れ、マクロ的な撮影も可能なので、今までマクロレンズをほとんど持ち歩くことがありませんでした。発売前の冬に「M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO」と出会って、⼩さな氷の中に閉ざされた世界や⽔の表情にもチャレンジすることができ、表現の幅が広がったと実感しました。

湖畔の薄氷に気泡ができ、その中を⽔が揺らいでいました。PL フィルターを使って虹⾊に⾒える⾓度を探しながら⾼速シャッターで⼿持ち撮影しました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/25秒/F4.0/ISO 200/PLフィルター

外観

⼀般的に望遠マクロレンズというと⼤きくて重いというイメージですが、全⻑136mmの筒状で、質量も約453gとコンパクトでとても軽く、⼿持ち撮影でもバランスが取りやすいです。

PLフィルター越しに薄氷を覗いて⾒ると、虹⾊に輝いていました。動物の顔のように⾒える部分をデザイン的に切り取りました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/40秒/F18/ISO 800/PLフィルター

フォーカスリミットスイッチ

レンズの側⾯にある3 段階に分けて設定できるフォーカスリミットスイッチがとても便利で、「S-MACRO」「0.25mm〜0.5mm」「0.25mm〜∽」の3段階に設定できます。ほとんどの場合は「0.25mm〜∽」で良いが、撮影倍率4倍*マクロ撮影時は「S-MACRO」に切り替えるとピント合わせがしやすいです。

渓⾕の浅瀬でグルグルと回転しながら流れていた細かいバブル。ISO 感度を上げて「S‐MACRO」に切り替え、オートフォーカス(AF)と⼿ぶれ補正を使って、できるだけ⾼速シャッターで撮影しました。凹凸のある泡が動いているので正直ピント合わせがとても難しいのですが、何度もシャッターを切り、PCのモニターで確認し、ピントがしっかり合っている作品をセレクトしています。⾁眼を超えるマイクロバブルの世界を描いてくれました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/320秒/F5.6/ISO 1600

⼿ぶれ補正

特に近接撮影では被写体⾃体が⼩さくて、三脚を使いにくいシーンも多いので、レンズの⼿ぶれ補正機能のスイッチをON に切り替えるだけで強⼒な⼿ぶれ補正が効きストレスなく瞬時に撮影できます。

クロコダイルのような葉をクローズアップで捉え、濡れた葉の質感や細かい葉脈まで繊細に描写できました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/25秒/F5.6/ISO 400

深度合成機能

マクロレンズで撮影する際に被写体にもよるのですが、超⾼倍率・⾼倍率マクロでの撮影では、近接すればするほど被写界深度がどうしても浅くなってボケてしまいます。お花などの撮影の場合はボケが良い⽅に働くのですが、凸凹した氷の質感や葉の繊細な模様など、⼿前から奥の細部までシャープに写し繊細に描写したい場合は、カメラ内の深度合成機能(ピント位置をずらしながら複数枚の写真を合成し、⼿前から奥までピントの合った被写体深度の深い写真に⽣成してくれる機能)を使うことでカバーできます。
※深度合成した写真は上下左右が約7%カットされます。

凍った氷の中に閉じ込められたモミジの残り葉を俯瞰しながら⼿持ちで撮影しました。この作品が通常撮影と深度合成機能を使用したものとの⽐較が⼀番顕著に現れているので、ぜひ拡⼤してご覧ください。深度合成機能を使うことで氷の透明感や質感から厳しい寒さも伝わりますが、⼀⽅、通常の撮影ではピントを合わせたモミジの葉脈の部分にしかピントが合っていなく、その他は全体的にボケてしまいます。

通常の撮影
OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/640秒/F4.0/ISO 400

深度合成機能を使用
OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/640秒/F4.0/ISO 400

マニュアルフォーカス(MF)

ピントがシビアな被写体の時には、ファインダーや背⾯の液晶モニターで確認しながらMFでしっかりピントを合わせることができます。

ボツボツとした葉っぱの模様が⾯⽩い植物を俯瞰して撮影。⼿前から奥までの被写界深度が浅くなるので、カメラ内の深度合成機能を使って仕上げました。通常撮影と深度合成機能を使用したものを⽐べると、ピントの合う範囲が広く、デザイン的にも美しく捉えることができました。

通常の撮影
OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/13秒/F5.6/ISO 400

深度合成機能を使用
OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/13秒/F5.6/ISO 400

⾶沫によって成⻑した氷の中に閉じ込められた枯れた紫陽花の残り花。通常撮影と深度合成機能を使用したものを⽐べると、氷の透明感や質感、紫陽花の花脈もはっきり描写できました。

通常の撮影
OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/25秒/F5.6/ISO 200

深度合成機能を使用
OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/25秒/F5.6/ISO 200

薄氷の中に空気が⼊り気泡となった⽔⽟模様。PLフィルターで虹⾊に輝くアングルを探しながら撮影しました。ピントを合わせた位置から⼿前と奥はどうしてもボケてしまうので、深度合成機能を使って⽔⽟全体にピントが合うように撮影しました。

通常の撮影
OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/125秒/F5.6/ISO 400/PLフィルター

深度合成機能を使用
OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/125秒/F5.6/ISO 400/PLフィルター

望遠単焦点レンズとして

マクロ撮影のみならず、180mm相当*の望遠単焦点レンズとしても使え、クリアでシャープな描写⼒を保ちながら、とろけるボケ味も魅⼒的です。ついつい⾵景写真では望遠ズームレンズを使ってしまいがちですが、画⾓がはまれば、描写⼒はもちろんのこと、また⾊再現も美しく⾃然の⾊を描写してくれるのもこのレンズの特徴です。

霜が降りたモミジの葉っぱを⽇の出前に8000万画素の三脚ハイレゾショット機能で撮影しました。霜の繊細な描写⼒が素晴らしいです。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/50秒/F5.6/ISO 200
8000万画素 三脚ハイレゾショット

シダ科の葉の裏側の美しい部分を⾯として切り取りました。葉っぱのエッジと葉脈の透け感の描写⼒が素晴らしく、みずみずしいグリーンの⾊合いからも⽣命⼒が感じられます。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/20秒/F5.6/ISO 400

霧氷のカラマツをポイントにキラキラ舞うダイヤモンドダストを撮影しました。カラマツにピントを合わせると、⼿前に舞っているダイヤモンドダストが⼤⼩の⽟ボケに描写され、遠近感が感じられます。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/3200秒/F3.5/ISO 400

防塵・防滴性能

防塵・防滴 保護等級IP53 対応のため、滝で⾶沫を浴びながら氷の撮影をするにも強い味⽅になってくれます。

渓流で氷と流れをデザイン的に切り撮りました。
ライブND機能を使って滑らかな流れに表現しました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1.3秒/F8.0/ISO 200/ライブND(ND64)

さらに季節が進み、春のお花も撮影してみました。

ホトケノザをグリーンの前ボケと後ろボケを使って柔らかく表現しました。
シャープな描写ととろけるような美しいボケ感が得られました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/2500秒/F3.5/ISO 400

椿の花を正⾯からクローズアップして撮影。お花全体を写すのではなく魅⼒的な部分を切り取ってデザイン的に表現しました。ピント位置が迷う所ですが、マニュアルフォーカスで⾊々と撮っておきながら、最終的にパソコンのモニターで花の真ん中付近にある⽔滴と、花びらにピントがきている作品をセレクトしました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/500秒/F8.0/ISO 800

桜の花をクローズアップして撮影しました。マニュアルフォーカスで雌蕊にピントを合わせることで、ふんわり柔らかいボケ味と⽴体感を得ることができました。絞りを開放値F3.5でも撮影しましたが、ボケすぎてしまうので、F8.0を選択して撮影しました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO
180mm相当*/1/40秒/F8.0/ISO 200

まとめ

今まで色々なPRO レンズの最短撮影距離を利⽤しながらマクロ的な撮影をしてきましたが、M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROでしかできない写真表現が無限にあることに気づかされました。これから梅⾬時にはお花や葉っぱについた⽔滴、夏や秋には朝露やきのこなど・・・季節を巡りながらこのレンズならではの写真表現を楽しみたいです。カメラザックに忍ばせておくべき唯⼀無⼆のレンズになりそうです。

*35mm判換算値

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新開発のデバイスと最先端のデジタル技術で新たなステージへと飛躍する「OM SYSTEM」のフラッグシップモデル

ED 90mm F3.5 Macro IS PRO

最大撮影倍率4倍*、テレコンバーター使用で8倍*の超高倍率撮影をを可能とし、全域での高速高精度AF、IP53の防塵・防滴性能、5軸シンクロ手振れ補正にも対応した望遠マクロレンズ
* 35mm判換算