掲載日:2023年10月25日
マクロレンズは被写体を大きく写すことができるレンズの事ですが、さまざまな種類があります。
今回は私がお勧めするM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroを紹介します。
何よりこのレンズは185gと非常に軽く持ち運びしやすいのが特徴です。
そして最短撮影距離が19cmととても短く、目の前の被写体に近づいて撮影するのにイメージが掴みやすいのも魅力。
最大撮影倍率は2倍*というスペックはマクロ初心者にも、またマクロを熟知している方にもとても使いやすいレンズです。
夏の高原でベニシジミを撮影しました。
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroは焦点距離120mm相当*なので、このような被写体にもちょうど良い距離感で撮ることができます。撮影時はあまり近づかないようにモニターを見ながら撮影しました。昆虫は出来るだけ目にピントを合わせます。隅々まで綺麗なボケが描かれ、それでいてベニシジミをくっきりと描き出すことができました。
色の再現性、細やかなディティールが非常に美しいレンズです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroは小さくて軽くて手のひらサイズ。ポケットにも入れられます。それでいて綺麗な描写で精密な表現を実現してくれるのが嬉しいです。軽いカメラと軽いレンズの組み合わせは、瞬間を逃しません。
これは夏の花畑のひまわりに乗っていた蟻を撮ったものです。蟻はとても素早く動き回るので、的確にそして効率よくカメラの設定を決めてどんどん撮影していきます。ピントは蟻に合わせていますが、逆光なのでひまわりの産毛も綺麗に表現されています。背景のひまわりの黄色が主題の緑色を際立たせていて、黒い蟻がアクセントカラーになっているので全体がまとまっています。このように構図を決める時は色の配分、配色を決めていくとわかりやすい場合があります。
この緑、黄色、黒の3色で夏らしい一枚を仕上げることができました。
蜘蛛の糸を見つけたのでM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影しました。絞り開放F2.8で左部分の糸だけに合わせて撮影すると他のピントの合っていない部分でき、そこが虹色に輝きます。赤から紫までのグラデーションが綺麗です。光の中には無限の色があるのだと教えてくれる一枚です。背景の円ボケもとても自然に描かれていますね。足元で見つけたさりげない被写体も、このレンズを使えばいろんな表現ができるということを再確認させてくれました。
美しいボケ1
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroはきれいな円形ボケを表現してくれるレンズです。彼岸花が咲いていたので背景の木漏れ日の円ボケを意識して撮影しました。絞り値をF4.5でやや絞り気味にし、花全体にピントを合わせつつ森の中に差し込んだ光の円ボケを表現しています。均一な玉ボケが全体的に水玉模様になり、一輪の彼岸花がより魅力的になりました。
美しいボケ2
苔の中にそっと息づくキノコを見つけました。まるで小さなおかっぱの女の子が並んでこちらを見ているようです。このかわいいキノコだけを浮かび上がらせるように手前にある水滴や草を前ボケさせています。まだ生まれたてなのでしょうか、キノコの表面はふわふわして柔らかそうですが、その質感も綺麗に描かれています。
風景写真撮影は水辺でも撮影シーンがとても多いので防塵・防滴のレンズは必須です。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroはほこりや水分の侵入を防ぐ密閉シーリングを施されているので防塵・防滴性能がとても優れています。水飛沫がかかるような場所や過酷な環境でも安心して撮影に集中できるのがいいですね。
マクロ撮影って聞くと特別な技術や撮影法が必要なイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、この小さなレンズはマクロの世界をとても身近にしてくれます。お散歩の時や、どこかへ出かけた道すがらでも、何かを見つけて手持ち撮影するだけで自分だけのマクロの世界を作ることが出来るのです。
これはある冬の朝、道端に落ちた葉っぱを手持ち撮影したものです。前日に雨が降ったのでしょうか、枯れた葉っぱには水滴が付いています。地面ギリギリにカメラポジションを決め、一番綺麗な水滴にピントを合わせて手持ち撮影しました。水滴はレンズのようになり葉っぱの葉脈を大きく写し出しています。見逃してしまいそうな小さなシーンですが、マクロレンズ一本あると、何気ない朝のシーンを美しい記録として残すことができます。
*35mm判換算値