写真家 清家 道子 × M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro~遠方撮影からマクロ撮影まで、美しい描写で被写体を描くマクロレンズ~

掲載日:2023年10月25日

清家 道子

清家 道子

福岡生まれ。JPS日本写真家協会会員。カラーコーディネーターを経て風景写真家となり、九州を中心に撮影活動している。2011年より企業カレンダーを手がける他写真雑誌への寄稿、カメラメーカーでの講演、撮影会などを行う。
2016年に写真展「またまの宇宙」をリコーイメージングスクエアで開催。同写真集(日本写真企画)を出版。その他、2017年写真集「The Gift Of Ranunculus」(風景写真出版)、2021年著書「美しい風景写真のマイルール」(インプレス)がある。
2020年にYouTube 清家道子チャンネルを開設。風景写真、色彩心理、風景動画で構成した風景ショートムービーなどを配信中。

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ED 60mm F2.8 Macro

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マクロレンズは被写体を大きく写すことができるレンズの事ですが、さまざまな種類があります。
今回は私がお勧めするM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroを紹介します。
何よりこのレンズは185gと非常に軽く持ち運びしやすいのが特徴です。
そして最短撮影距離が19cmととても短く、目の前の被写体に近づいて撮影するのにイメージが掴みやすいのも魅力。
最大撮影倍率は2倍*というスペックはマクロ初心者にも、またマクロを熟知している方にもとても使いやすいレンズです。

夏の高原でベニシジミを撮影しました。
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroは焦点距離120mm相当*なので、このような被写体にもちょうど良い距離感で撮ることができます。撮影時はあまり近づかないようにモニターを見ながら撮影しました。昆虫は出来るだけ目にピントを合わせます。隅々まで綺麗なボケが描かれ、それでいてベニシジミをくっきりと描き出すことができました。
色の再現性、細やかなディティールが非常に美しいレンズです。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/640秒/F2.8/ISO 200

ベニシジミを正面から撮ってみました。
蝶は花の上を動き回りながら蜜を吸うので、その都度ピントを目に合わせながら撮影していきます。こちらをじっと見ているような表情まで綺麗に捉えていますね。ストローを使って花の蜜を吸っている様子は肉眼ではなかなか見ることができない世界で、使えば使うほどにこの軽いレンズの機動性を実感できました。
特に昆虫を撮るのにはお勧めのレンズです。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/640秒/F2.8/ISO 200

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroは小さくて軽くて手のひらサイズ。ポケットにも入れられます。それでいて綺麗な描写で精密な表現を実現してくれるのが嬉しいです。軽いカメラと軽いレンズの組み合わせは、瞬間を逃しません。

これは夏の花畑のひまわりに乗っていた蟻を撮ったものです。蟻はとても素早く動き回るので、的確にそして効率よくカメラの設定を決めてどんどん撮影していきます。ピントは蟻に合わせていますが、逆光なのでひまわりの産毛も綺麗に表現されています。背景のひまわりの黄色が主題の緑色を際立たせていて、黒い蟻がアクセントカラーになっているので全体がまとまっています。このように構図を決める時は色の配分、配色を決めていくとわかりやすい場合があります。
この緑、黄色、黒の3色で夏らしい一枚を仕上げることができました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/800秒/F2.8/ISO 200

蜘蛛の糸を見つけたのでM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroで撮影しました。絞り開放F2.8で左部分の糸だけに合わせて撮影すると他のピントの合っていない部分でき、そこが虹色に輝きます。赤から紫までのグラデーションが綺麗です。光の中には無限の色があるのだと教えてくれる一枚です。背景の円ボケもとても自然に描かれていますね。足元で見つけたさりげない被写体も、このレンズを使えばいろんな表現ができるということを再確認させてくれました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/640秒/F4.0/ISO 320

蝉の抜け殻を見つけたので「深度合成機能」を使って撮影しました。背景をふんわりボカした状態はそのままに、蝉の抜け殻全体とその周辺にはしっかりとピントが合っていてとてもリアルな仕上がりができました。抜け殻の艶やかな質感がまるで手に触れることが出来るようですね。このような被写体に出会ったらマクロレンズを使って深度合成機能を使った撮影をするとイメージにあった表現ができます。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/200秒/F3.2/ISO 320

美しいボケ1
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroはきれいな円形ボケを表現してくれるレンズです。彼岸花が咲いていたので背景の木漏れ日の円ボケを意識して撮影しました。絞り値をF4.5でやや絞り気味にし、花全体にピントを合わせつつ森の中に差し込んだ光の円ボケを表現しています。均一な玉ボケが全体的に水玉模様になり、一輪の彼岸花がより魅力的になりました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/200秒/F4.5/ISO 320

美しいボケ2
苔の中にそっと息づくキノコを見つけました。まるで小さなおかっぱの女の子が並んでこちらを見ているようです。このかわいいキノコだけを浮かび上がらせるように手前にある水滴や草を前ボケさせています。まだ生まれたてなのでしょうか、キノコの表面はふわふわして柔らかそうですが、その質感も綺麗に描かれています。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/100秒/F4.5/ISO 1000

美しいボケ3
苔に付いた小さな水滴に森が写り込んでいます。このような水滴を撮る時は全体に撮るよりも一滴だけにフォーカスした方がわかりやすい写真になります。絞り値をF4.0のやや開放気味にして前ボケと後ろボケで一つの水滴だけアピールしています。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/640秒/F4.0/ISO 1000

このマクロレンズはマクロ撮影としてだけでなく単焦点レンズとしてももちろん使えます。焦点距離120mm相当*は様々なシーンでとても使いやすい焦点距離で、例えばさりげない花の撮影やスナップなどにも使うことができます。

これは少し枯れかかったダリアですがアートフィルター(パートカラー)を使いオレンジ色だけを残してあとはモノクロに仕上げています。軽やかなレンズなので出会った被写体を見ながら自分の発想を瞬時に形にできるのがいいですね。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/250秒/F7.1/ISO 320/アートフィルター:パートカラー

風景写真撮影は水辺でも撮影シーンがとても多いので防塵・防滴のレンズは必須です。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroはほこりや水分の侵入を防ぐ密閉シーリングを施されているので防塵・防滴性能がとても優れています。水飛沫がかかるような場所や過酷な環境でも安心して撮影に集中できるのがいいですね。

これは滝の側の水流がとても透明で美しかったので、ギリギリまで接写をして手持ち撮影したものです。水飛沫を受けながらの撮影でしたがカメラのOM-1とともに防塵・防滴の機材なので気にすることなく撮影に集中できました。水の水紋がまるでレンズのようになりユニークな模様が描かれています。よく見ると色とりどりの小石がとても可愛く、マクロレンズを使うと見るもの、見つけるものがこんなに変わってくるのだなと感じました。シャッター速度は1/640秒とやや早めにして水が描いてくれる美しいモチーフを撮ることができました。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/640秒/F5.6/ISO 320

マクロ撮影って聞くと特別な技術や撮影法が必要なイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、この小さなレンズはマクロの世界をとても身近にしてくれます。お散歩の時や、どこかへ出かけた道すがらでも、何かを見つけて手持ち撮影するだけで自分だけのマクロの世界を作ることが出来るのです。

これはある冬の朝、道端に落ちた葉っぱを手持ち撮影したものです。前日に雨が降ったのでしょうか、枯れた葉っぱには水滴が付いています。地面ギリギリにカメラポジションを決め、一番綺麗な水滴にピントを合わせて手持ち撮影しました。水滴はレンズのようになり葉っぱの葉脈を大きく写し出しています。見逃してしまいそうな小さなシーンですが、マクロレンズ一本あると、何気ない朝のシーンを美しい記録として残すことができます。

OM-1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
120mm相当*/1/50秒/F5.0/ISO 320

*35mm判換算値

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新開発のデバイスと最先端のデジタル技術で新たなステージへと飛躍する「OM SYSTEM」のフラッグシップモデル

ED 60mm F2.8 Macro

描写性能にこだわった等倍(35mm相当で2倍相当)マクロレンズ