萩原 史郎
萩原 史郎
日本
1959年山梨県甲府市生まれ。日本大学卒業後、株式会社新日本企画で『季刊(※現在は隔月刊) 風景写真』の創刊に携わり、編集長・発行人を経験。退社後はフリーの風景写真家に転向。現在自然風景を中心に撮影、執筆活動中。著書に『四季の風景撮影』シリーズ8冊(日本カメラ社)、『構図決定へのアプローチ法』『RAWから仕上げる風景写真テクニック』『自然風景撮影 上達の鉄則60』『基本からわかる光・形・色の活かし方』『風景写真の便利帳』(玄光社)他多数。オリンパス・デジタルカレッジ講師。カメラグランプリ選考委員。日本風景写真家協会(JSPA)副会長。
風景写真は、樹とのかかわりを拒絶して表現を成立させることはできない。 主役であれ脇役であれ、樹は風景の重要な構成要素であり、もっと言えば樹が地球を育み、人を生かしていることを考えれば、樹こそ積極的に追うべき存在なのだ。
都会の片隅に何気なく存在する樹でさえ、それにレンズを向ければ表現は可能だが、今回は大自然の中にある樹に着目して自分なりの想いを綴ってみた。瞬間の出会いもあれば、時間をかけて対峙した樹もある。
もちろん、わずかな撮影期間で樹のいったい何がわかるのかとも思うが、真実の一端を垣間見ることはできた。
撮影に挑むにあたっては、いずれも訪れたことがある場所を選んだ。OM-D E-M1Xを相棒として携えたとき、そういった既知の場所から自分がE-M1Xを通して何を見ようとするのか、E-M1Xが何を被写体として選ぶのか、それを知りたかったからだ。結果としてわかったことは、掌に頼れる相棒がいることの心強さだ。出会いが一瞬のものだったとしても逃さず撮ることができ、何度も見た場面であっても、その状況における理想の表現を見逃すことがなかった。人とカメラが一体になったときの力を素直に感じたのである。
E-M1Xには数々の機能が搭載されているが、中でも強力な手ぶれ補正、ハイレゾショット、ライブNDの3つに強く惹かれる。縦位置グリップとの一体型となり信頼性を極限まで高めたE-M1Xは、これら3つの機能を中心に使いこなすことで、私の表現したい世界をさらに引き上げてくれる予感がある。新たに誕生したE-M1Xと始まる旅が楽しみでならない。