掲載日:2023年10月13日
2023年秋いよいよ発表になりました!OM SYSTEM Tough TG-7!いやいや待っていました!Tough TG-6の発売が2019年7月でした。それから「いつ出るのか?いつ出るのか?もしやもう出ないのでは?」そんな疑心暗鬼にかかるほど、待ち焦がれていました。正直Tough TG-6が、かなり完成度の高いカメラだったので、販売期間が長かったのも頷けます。そして4年の時を経て、TG-7の登場となりました。内容としては、TG-6をベースにより使いやすく、時代に合わせて進化したという感じでしょうか。まずは、TG-6からのTG-7への変更点を書き記したいと思います。
1.グリップ滑り止め防止加工を施し、グリップ力アップ
2.USB端子をUSB Type-Cに変更
3.液晶パネルの色再現性が向上
4.インターバル撮影/タイムラプス動画に、露出平準処理機能追加
5.縦位置動画の撮影が出来るようになった
6.ワイヤレスリモコン(RM-WR1)に対応
主な変更点はこの辺りになります。さて、この新しいTough TG-7を持って、水陸両用カメラマンのむらいさちが、山と海に行きいろいろ撮影をしてきました。アウトドア最強のこのカメラでどんな作品が撮影できたのか?どうぞご覧ください。
最強のアウトドアカメラを手にし、「まずは山へ行こう!」ということで、向かったのは尾瀬にある尾瀬沼へ。そこから百名山でもある燧ヶ岳への登頂を目指します。都会の暑さから抜け出し、まだまだ緑が美しい森を歩きました。こうした広い風景には、カメラに直接付けられるフィッシュアイコンバーターFCON-T01/FCON-T02が活躍してくれます。今回はFCON-T01を使用しました。しかしこのレンズを付けても小さい。手に持っているか、ポケットに入れておけるカメラって、とてもありがたいです。カメラのグリップが深くなったのでホールド感もアップしています。
Tough TG-7になってインターバル撮影の露出平準処理機能が追加されました。これはインターバル撮影中に大きく明るさが変わるような場面で、カメラ側でそのばらつきを抑えてくれる機能です。露出平準化設定を「ON」にして、インターバル撮影を行い、タイムラプス動画をカメラ内で作成しました。撮影中は雲が早く流れており、天気も晴れたり曇ったりと明るさもコロコロ変わる状況でした。露出平準化をオンにすることにより、とても自然な動画が出来上がりました。
この日はテント泊、寝床の準備ができたら、尾瀬沼に沈む夕日を撮影に行きました。Tough TG-7は、コンパクトデジタルカメラだからと記録用に持ち歩くだけではもったいない。とても画質が優秀なカメラで、使い方次第で作品もしっかり撮ることができます。そのためには設定をいろいろ変更してみると良いでしょう。夕日の場合、色をくっきり出すため、仕上がり設定は「Vivid」に、より赤を強調するために、ホワイトバランスは「曇天」や「日陰」にすると良いでしょう。また、仕上がり設定にあるアートフィルターの「ポップアートI/II」などを使ってより色を濃くすることもできます。
翌朝4時に起床、燧ヶ岳へ登るべく、尾瀬沼のほとりを歩きます。空は真っ青、今日もお天気は良さそうです。歩いている木道周辺は朝もやが出ていて幻想的。その美しい景色を残すべく、ただひたすらシャッターを切り続けました。
沼の周辺で、あまりの美しさに想定外の1時間以上撮影してしまい、予定時間を大幅にオーバー。さて、いよいよ登山の開始です。登りは「ナデッ窪ルート」でチャレンジ。正直そこまでハードではないと油断をしていました・・・。僕の想像の10倍くらいしんどかったです・・・。でも、きっと絶景が待っている!と信じて頑張りました。4時間ほどでなんとか登頂。正直、私の体力と経験では、一眼を持っていたら登頂できなかったかもしれません・・・。Tough TG-7の軽さに救われました。そしてここだけの話ですが、頂上近くでカメラを落としてしまい、数メートル岩場を転げ落ちました・・・。さすがに焦りましたが、カメラは全く故障も無く、その後も普通に使えました。奇しくもTough TG-7の耐衝撃の強さを体感することになりました。
TGシリーズといえば「顕微鏡モードだよね」という方も多いはず。大自然の中で広い写真を撮るのは確かに楽しい、でも足元を見ると心惹かれるマクロな景色もいろいろあるのです。ここでは、顕微鏡モードを使って撮影した作品をご紹介します。
モードダイヤルに顕微鏡マークが付いているので、クルクルと回せば簡単に撮影をスタートできます。メニューに入って設定しなければならないカメラもある中、アクセスがいいのはとても助かります。
とにかくトンボが多かったです!どこもかしこもトンボだらけ。おかげで接近しても逃げないのでじっくり撮らせてもらえました。
最強アウトドアカメラTough TG-7、次は海での実力をチェックしていきましょう。世界でこれほど水中写真のことを考えられて作られたカメラは無いでしょう。しかし、カメラ単体で潜れるのは15mまで。これだけでも凄いことなのですが、専用の防水プロテクターPT-059を使うと、水深45mまで潜ることが出来るようになります。スキューバダイビングで使うのならばこの防水プロテクターは必ず必要になります。そして今回とても嬉しいことに、Tough TG-6の防水プロテクターがそのまま流用できるのです!これはユーザーからするとほんとにありがたいですよね。Tough TG-6からTough TG-7へ乗り換える方も多いのではないでしょうか?また、Toughシリーズの水中アクセサリーはさまざまな水中写真機材メーカーから出ているので、本格的な作品を撮りたい方もバージョンアップすることができます。まずは、水中カメラ機材をご紹介しましょう。
これが防水プロテクターPT-059。耐圧水深45m。Tough TG-6を使っていた方は防水プロテクターを流用することができます。水中でも陸上とほぼ変わらぬ操作が可能です。
これが実際撮影しているシーンです。いろいろカスタマイズすることにより、作品のクオリティはどんどん上がります。自分のTGを進化させるのも楽しみのひとつですね。
「ワイド撮影?」と思った方もいると思います。これは水中写真用語でもあるのですが、海の中の広い景色を撮る時は「ワイド撮影」と言います。また小さなお魚などを撮影するときは「マクロ撮影」と言います。ここでもその呼び名で進めて行こうと思います。
今回伊豆の海で撮影したので、沖縄のように海中の透明度が良いわけでもなく、美しいサンゴ礁があるわけでもありません。でも伊豆など近場の海の良さは「日帰りで遊びにいける」ことだと思います。毎週のように伊豆に通って撮影している方も多くいます。では、ほんの一部ですが伊豆の海中をご覧ください。
これは防水プロテクターの前に付けるワイドレンズです。撮影倍率は0.5倍に。ワイドレンズの役割としては、水中ではカメラの被写体の間に水の層があるため、被写体と距離が開くほど写真はボヤっとしてしまいます。そこでワイドレンズを付けることによって、近くで広い写真の撮影が可能になります。
今回僕が撮影で使った機材がこちらです。ワイドレンズを付けて、水中では水の層があり写真が青くなってしまうので、その色をしっかり再現するために、水中専用ストロボを2灯使用しました。1灯でも良いのですが、片側からの光は被写体の反対側に影が出てしまうので、僕個人的な意見としては2灯あると良いかなと思います。
Tough TG-7のズームをワイド側にして撮影。このサンゴは真っ赤でとても美しい色をしていて、ストロボを発光して色を再現させて撮影します。目で見ると黒っぽい景色もストロボで色を再現するととても美しい姿を見せてくれます。これも水中写真の楽しみの一つです。
今度は先ほどのワイドレンズを使用して撮影。同じ距離ですが、サンゴ全体が画角に入っています。ワイドレンズの良さは、近くの距離で広く写せること。海の中で素晴らし景観に出会うことは多々あります、そんな時ワイドレンズは強い味方になってくれますよ。
水中では青い水の層があるので、どうしても写真が青被りしてしまい、目で見るような色を再現することが出来ません。その海の青を補正するために、TG-7には5つの水中モードが入っています。カメラ背面のモードダイヤルを見ると、お魚のマークがあります。これに設定することで5つの水中モードを環境に合わせて使い分けることができます。では、5つの水中モードをご紹介しましょう。
では、実際水中モードを使用した時と、通常撮影モードを使用した時は、どのくらい違うのか?比較画像をご覧ください。
夏を過ぎた伊豆の海は、新しい命が溢れていたり、黒潮に乗って南から流れてくるお魚が居たりと、とても賑やかになります。そんな生物達と向き合う時間はダイビングの大きな楽しみの一つです。そしてせっかくなら海で出会ったお魚たちをきれいに写真に収めたいですよね?
水中マクロモードや、水中顕微鏡モードがあるTough TG-7はマクロ撮影も得意なのです。
マクロ撮影は暗い場所が多いので、水中ライトや、水中ストロボを使うことをおすすめします。これは防水プロテクターにリングライトを装着したところです。リングライトは近くに寄らないといけませんが、光がきれいに被写体に当たるので誰でも簡単に撮影することが可能です。そのまま動画なんかもライトで撮影できるので便利です。
ハゼやスズメダイなど、ちょっと離れたところから撮影しないといけないシーンでは、水中ストロボが活躍します。ライトに比べてストロボの方が光量が強いので、動きの速い被写体を止めて撮影することができます。
個人的にこれがあるととても便利だと思うのが、マグニファイヤーです。これは背面の液晶部分に装着します。レンズが付いているので、覗くことによって拡大して見ることができるのです。カメラのファインダーを覗くイメージですね。マクロ撮影はピント合わせがとてもシビアになります。マグニファイヤーを装着することによってしっかりピントを合わすことができます。また、レンズの視度調整もできるので、最近液晶画面が見えにくい…という方にもおすすめです。
実際水中ではこのように撮影しています。しっかり身体を固定して、被写体に近寄りましょう。あとはシャッターを押すのみ!
では実際水中で撮影したマクロ作品をご紹介していこうと思います。Toughシリーズはコンパクトカメラだから作品が撮れないと諦めていませんか? Tough TG-7はしっかり作品を撮影することができます。ただ、ミラーレス一眼の様にオートフォーカスが早いわけではないので、あまり動かない被写体を狙って撮影したほうが良いですね。水中の素敵な出会いをカメラでしっかり残しましょう。
以前から動画撮影機能はカメラに入っていましたが、昨今インスタグラムやTikTokなどSNSの世界では縦位置動画が主流になってきています。僕も縦位置動画を撮影していますが、毎回動画を回転させてアップしていました。これが地味に面倒なのです。そんな時世を反映してTough TG-7には縦位置動画機能が付きました。これは縦位置で動画を撮影すると、カメラが認識してデータ上でも縦で残してくれます。では、最後に僕が撮影したお魚を縦位置動画で編集してみましたのでご覧ください。
ということで、山から海の中までTough TG-7と一緒に撮影をしてきました。あのタフ性能は、本当に心強かったです。カメラ内の機能もとても多く、十分作品を撮ることも出来ました。顕微鏡モードなど、ほかのカメラには無い独自の機能も作品の幅を広げてくれました。そしてなにより、高性能なのに小さいということ。特にアウトドアフィールドではとても助けられました。USB Type-Cで充電出来るというのも、「コード忘れた?どこ行った?」という不安に駆られずありがたいです。
いろいろな機能がプラスされ、進化したTough TG-7。小さいながらも高性能の、最強アウトドアカメラを持って、海に山に出かけましょう!