自分の好きなものを追いかけながら、写真の世界をもっと楽しみたい!そんな思いをカタチにするために、テーマ別の撮影ポイントから、ちょっとしたステップアップのコツ、プロ並みの隠しワザまで、わかりやすく学べるサイトです。
さあ、今日から相棒のカメラと一緒に出かけましょう。
鉄道車両の絶好の
一瞬を切り取る極意
高速で鉄道車両が走り抜けるシーンや、
トンネルから出てくる瞬間などは、鉄道写真の醍醐味です。
絶好のタイミングを捉えて、
最高の一枚を撮影するコツをご紹介します。
[ 基 本 ]走り抜ける車両の勇姿を
タイミングよく写すには
高速で走る電車や汽車などの鉄道車両を撮影する時は、鉄道車両の姿が見えてからピントを合わせていては良い瞬間を逃してしまいます。そこで、フォーカスモードをMF(マニュアルフォーカス)またはS-AF(シングルAF)に設定し、被写体の通り道にあらかじめピントを固定(S-AFでは半押しを維持)しておき、鉄道車両が来た瞬間にシャッターボタンを押す「置きピン」という撮影テクニックを使いましょう。
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OM-D E-M1 MarkIII
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
230mm相当(35mm判換算), 1/4000秒, F2.8, ISO 400
[ 応 用 ]トンネルを抜ける
鉄道車両の顔を正確に捉える
トンネルから鉄道車両が出てくる瞬間など、タイミングを見極めるのが難しい場合は「プロキャプチャーモード」を使うのがおすすめです。「プロキャプチャーモード」とはシャッターボタンを半押しした段階で撮影を開始し、シャッターボタンを全押しした瞬間からさかのぼって記録してくれる機能です。これまでシャッターボタンを押すタイミングが少し遅れて撮り逃していたようなシーンも、プロキャプチャーモードを使えば、より多くの選択肢の中からベストな構図の写真を選ぶことができます。
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OM-D E-M1X
M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0
24mm相当(35mm判換算), 1/1250秒, F4.0, ISO 1600
ローカル線や特別列車の
旅情感を切り取る
地方都市を走るローカル線や特別列車などの姿は、
それだけで旅情感をかき立てられる被写体です。
そんな不思議な魅力をもった
被写体の魅力をさらに引き出すコツをご紹介します。
[ 基 本 ]被写体の周りに
目を向ける
鉄道写真では電車や汽車などの鉄道車両だけではなく、ちょっと視点を変えて、鉄道車両が走る風景や、同じように鉄道車両を愛する人々にも目を向けてみましょう。この作品では、ホームに入ってきた鉄道車両を見つめる子供達の姿も写しています。自動改札もないような駅舎の入り口からピカピカの車体を夢中で見ている後ろ姿に、往年の自分の姿を重ね合わせる人もいるのでは。現代の情景なのに、誰かの心や記憶にも訴えかける力があるのは、昔から走り続けているローカル線の写真ならではの魅力です。
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OM-D E-M1X
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
24mm相当(35mm判換算), 1/400秒, F4.5, ISO 800
[ 応 用 ]劇的効果を高める
アートフィルター
平仮名で書かれた「もじこう」の文字が旅愁を誘うこちらの作品。
駅名標に照らされた木造屋根と背後に見えるビルの対比も、このレトロさを際立たせるのに一役買っています。さらに旅愁を強調するためにフィルター効果を使用してみましょう。
写真では、OM-Dが誇る多彩なアートフィルターの中からノスタルジックな雰囲気をプラスする「ヴィンテージ」を使用していることで、まるで遠い過去の風景を見ているような気持ちにさせてくれます。フィルターごとに追加できる「アートエフェクト」をプラスすれば、さらにフィルターの世界観を深めることができるでしょう。
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OM-D E-M1X
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
24mm相当(35mm判換算), 1/2秒, F4.0, ISO 64
アートフィルター:ヴィンテージ
「流し撮り」で
鉄道車両の疾走感を捉える
動いている電車や汽車などの鉄道車両のスピード感や
躍動感を表現するには「流し撮り」による撮影がおすすめです。
被写体の動きに合わせてカメラを動かし、
スローシャッターで周囲が流れるように撮影することで、
鉄道車両の疾走感を表現できます。
[ 基 本 ]スローシャッター
による撮影方法
流し撮りにはカメラの設定が重要です。まずは、撮影モードをシャッター速度に合わせて自動で絞りを調整してくれるS(シャッター速度優先)に設定してみましょう。 次に、AF(オートフォーカス)はC-AF(コンティニュアスAF)に。C-AFにすることでシャッターボタンを半押ししている間、AFが追従し、ピントを合わせ続けてくれます。連写はドライブモードで連写Lに設定します。最後に、ピントを合わせるグループターゲットを被写体との距離に応じて5点~25点の中から選びます。シャッター速度は、鉄道車両や撮影状況により設定値が大きく異なりますが、まずは1/60秒程度に設定してチャレンジしてみるのが良いでしょう。
そして撮影時には、シャッターボタンを半押しした状態から、向かってくる電車や汽車などの鉄道車両の動きに合わせてカメラを進行方向と並行に動かし、鉄道車両が通り過ぎるまでシャッターを切り続けるのがポイントです。
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OM-D E-M1 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
76mm相当(35mm判換算), 1/30秒, F8.0, ISO 64
[ 応 用 ]さらに疾走感を
表現するには
シャッター速度の違いで周囲の風景の流れ方が変わってくるので、より動感を出したい場合は1/30秒以下に挑戦してみましょう。こちらの作品は1/4秒と、かなり遅めのシャッター速度で撮影しています。これにより周囲の描写はもはや形ではなく色のみで表現されており、紅葉を思わせる色彩の中を走る鉄道車両の存在感が引き立つ一枚になっています。 ただしシャッター速度が遅くなると、それだけ手ぶれが起こりやすくなるので注意が必要です。 OM-Dなら、自動的に縦軸のぶれのみを抑えてくれるので、手持ちでのスローシャッター撮影にも不安がありません。
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OM-D E-M1X
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
150mm相当(35mm判換算), 1/4秒, F20.0, ISO 100
夜の鉄道写真を
より幻想的に表現する
花火、星空などと一緒に撮影された夜の鉄道写真は、
幻想的な世界観が表現できます。
このチャプターでは花火と鉄道車両、
星空と鉄道車両をそれぞれ効果的に撮影するコツを学びましょう。
[ 基 本 ]夜の鉄道と花火を
上手に撮るコツ
夜間の鉄道写真撮影は露光に時間がかかるので、シャッターを長時間開ける必要があります。そのスローシャッターを活かして印象的な写真を撮ってみましょう。この作品は6秒というかなり長い露光時間のため、歩行者はぶれていますが、駅に停車している路面電車と花火の印象的なコラボが実現しました。このようにシャッター速度が遅い場合は、できるだけ三脚を使用し、その場合手ぶれ補正はOFFにしましょう。花火をキレイに撮るコツは、花火が昇っていく時の光跡を見ながら、それが上空で一瞬消えたタイミングでシャッターボタンを押すと、中心から開き切った花火を記録することができます。
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OM-D E-M5 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
44mm相当(35mm判換算), 6秒, F10.0, ISO 200
[ 応 用 ]車両と共に、
星空の軌跡を写す
星の日周運動と電車や汽車などの鉄道車両を組み合わせて撮影したい時は、OM-Dの「ライブコンポジット」を使ってみましょう。明るく変化した部分だけをカメラ内で合成処理(比較明合成)するので、この写真のように、構図内に星よりも明るい街灯などがある場合でも、その部分が露出オーバーになることなく、夜空は暗いまま星の軌道をキレイに写せます。背面モニターで仕上がりを見ながら撮影できるのも便利です。ライブコンポジットを使う時は必ず三脚を使い、手ぶれ補正はOFFにしましょう。
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OM-D E-M1 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
14mm相当(35mm判換算),ライブコンポジット30秒×89コマ,F3.5,ISO 400
寄りと引きを
活かした鉄道写真
写したいものにダイレクトに肉薄した寄りの写真は、
撮影者の意図が伝わり迫力があります。
逆に、望遠レンズを活かした引きの写真では、
風景と車両の雄大なコラボなどが表現できます。
[ 基 本 ]あなたの「好き」を
クローズアップで
クローズアップ撮影の魅力は、被写体の中で撮影者が何に一番注目していたか、ダイレクトに伝わるところです。この作品は、鉄道車両の運転席部分を約300mm(35mm判換算)という長い焦点距離と、1/4000秒という高速シャッターで撮影しています。これにより、肉眼では捉えられない走行中の鉄道車両の運転手の姿を見事に捉えています。さらに逆光の効果により、運転手がシルエットで描写されているのも見る側の想像力をかきたてます。
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OM-D E-M1X
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
284mm相当(35mm判換算), 1/4000秒, F5.0, ISO 200
[ 応 用 ]超望遠レンズを使って
ドラマチックな効果を
メインの被写体と背景の距離感を実際よりも近づけてみせる「圧縮効果」は、望遠レンズの特長のひとつで、よりドラマチックな写真を撮ることができます。この作品は、600mm(35mm判換算)の単焦点レンズに、2倍のテレコンバーター(レンズの焦点距離を伸ばすためのアダプターレンズ)を使用し、1200mm(35mm判換算)という超望遠の焦点距離で撮影しています。これにより、実物よりかなり大きく描写された太陽をバックに鉄橋を走る鉄道車両とのサイズ感の違いがより強調され、見る者を惹きつける一枚となっています。小型軽量の望遠レンズと、カメラ本体の強力なボディ内手ぶれ補正により、手持ちによる超望遠での撮影も可能です。一瞬で駆け抜ける電車や汽車などの鉄道車両でもシャッターチャンスを逃しません。
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OM-D E-M1X
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO +MC-20
1200mm相当(35mm判換算), 1/3200秒, F11.0, ISO 200
鉄道撮影のマナー
鉄道撮影の心得
- ●社会的ルールを遵守し、事故や危険のないよう、駅や沿線での撮影を楽しみましょう。
- ●撮影者が多い好適な撮影地では無理な場所取りをせず、譲り合う心を大切にしましょう。
- ●できるだけ鉄道を利用した撮影プランを組みましょう。
鉄道撮影の注意点
1.鉄道運行の妨げになる行為は止めましょう。
- (1)線路内に立ち入らない。線路に接近した場所での撮影や、柵に寄りかかったり、登ったりしない。
- (2)ホームでは安全な場所で撮影をする。発車、進入する列車にも気をつける。
- (3)営業している列車に向けてフラッシュは光らせない。
2.一般の方、地域の方に迷惑をかけないようにしましょう
- (1)農地(田畑・牧草地・山林等)や宅地など、私有地に立ち入らない。
- (2)公園等で柵やロープが張っている場所に立ち入らない。柵やロープを越えての三脚の設置はしない。
- (3)田畑やあぜ道を踏み荒らしたり、草を刈ったり枝や幹を切るなど、環境を変えることをしない。
- (4)三脚や荷物が邪魔にならないようにする。人や車が通るときは、撮影を中断して通行を優先する。
OM-Dの
圧倒的な機動力を生み出すキーテクノロジー
優れた機動性を発揮する小型軽量システム
防塵・防滴・-10℃耐低温構造
あらゆる環境で思い通りの撮影を可能にする最高クラスの信頼性
※動作環境の保証(当社試験方法による)はIPX1となります。
最先端技術の手ぶれ補正機構
最大約7.5段*の補正を実現する、5軸シンクロ手ぶれ補正
*E-M5 Mark Ⅲは最大約6.5段になります。
絶好の一瞬を逃さないための独自機能
運転席にピンポイントでAF 「鉄道認識AF」
ディープラーニング技術を活用してアルゴリズムを開発した鉄道認識AF。高速で走行する鉄道の運転席にピンポイントでピントを合わせ続けることができます。画像処理エンジンTruePic VIIIを2基搭載したことで、リアルタイム処理を実現しました。
展示車両と星の日周運動の撮影に最適
「ライブコンポジット」
通常のバルブ撮影では全体が明るくなりすぎるようなシーンでも、明るく変化した部分のみが合成される「ライブコンポジット」。最長6時間*までの撮影が可能です。展示車両と星の日周運動の美しい光跡を表現できます。仕上がりをモニターで確認しながらじっくりと撮影できます。
*E-M1X、E-M5 Mark Ⅲは最長3時間になります。
高速・高精度なピント合わせ
「121点オールクロス像面位相差AF」
被写体の模様や動きに関わらず、高速・高精度でピントを合わせる121点オールクロス像面位相差AF。光束に制限がなく、F1.2などの大口径レンズを使用した状態でも全測距エリアで高いAF精度を実現します。
AFエリアを自由に配置できる
「カスタムAFターゲットモード」
鉄道の動きや位置に応じて、AFエリアを自由に配置できるカスタムAFターゲットモード。AFエリアは、縦11点・横11点から任意の奇数を選択して設定できます。AFエリアの移動ステップは、縦・横それぞれ3段階で選択できます。
AF/AE追従最高18コマ/秒*
「高速連写」
高速画像処理エンジン、高速センサーを搭載することでAF/AE追従連写撮影(静音連写Lモード)時に、有効画素2037万画素で最高約18コマ/秒を実現。連写中のライブビュー表示も可能で、動きの速い鉄道も快適にフレーミングできます。
*E-M5 Mark Ⅲでは最高10コマ/秒になります。
シフトレンズなしに台形補正ができる
「デジタルシフト撮影」
シフトレンズを使用して撮影しているかのように、縦横同時に「台形補正」や、「パースペクティブ強調」ができます。ライブビュー画面で効果を見ながら撮影できるので、仕上がりもその場でわかります。