Volume 9 お気に入りのペットは? あなたはイヌ派? ネコ派? マイケル・リース:皆さんこんにちは、2月号のCultural Crossroadsへようこそ。マイクです…… アン・スレーター:アンです。 マイケル:聞いてくださってありがとうございます。ねえ、アン、聞こうと思ってたんだけど、何かペットを飼ってる? アン:ええ。偶然にも、そうなのよ。とてもいたずら好きなウェスティーを飼っているわ。 マイケル:ウェスティーか。 アン:ハハハ、ウェスティーよ。 マイケル:ウェスティーって? ハハハ。 アン:ハハハ。ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのことよ。 マイケル:イヌか! なるほど。 アン:ええ、イヌなのよ。あなたは? マイケル:うん、うちの今のペットはネコなんだ。 アン:まあ。 マイケル:小さなシンガプーラ。ほら、面白いね─人とペット(との関係)っていうのはさ。君はイヌの方が好き? アン:ネコよりも? マイケル:うん。 アン:ええ、ある意味でそうね、ある意味では、イヌの方が好きかな。家族の中にネコ・アレルギーの人がいるから、自分が本当はネコをペットに飼いたいかどうかわからないの。中には本当にきれいなネコもいるわよね。例えばペルシア猫─だったかしら? 毛がふさふさしているきれいなグレーのネコ。あのネコは大好きなの。でもイヌは、すごく愛想がいいと思うのよね、ネコもそうだと聞くけど。イヌは多分、上品さではネコに劣るけど、どこかとても愛らしいところがあると思うの。 マイケル:どうやら人は2つのグループに分けられるみたいだね。イヌ派とネコ派に。僕はというと、断然ネコの方が好きだな。ほかの人がイヌを好きなのと、まさにそれと同じ理由でね。イヌはちょっと愛想が良過ぎるんだ。ちょっと依存心が強過ぎる。 アン:くっついてくるものね。 マイケル:くっついてくるよね。家に帰ると小さな犬が「ワンワンワン」ってね。それに対してネコは、ものすごく独立心が強い。気が乗れば愛情をたっぷり示してくれるけど。 アン:ああ。そうね。 マイケル:そうでないときは、飼い主を見て「いや、今日はやめておこう。あっちに行って、窓辺に座っていようっと」って思うんだ。 アン:ハハハ。 マイケル:で、僕はネコから受ける、独立心のあるような、そんな感じが好きなんだ。 アン:一つ私が面白いなあと思うことは、初めて日本に来たころは、もう何年も前のことだけど、今ほどあちこちでイヌを見掛けなかったわ。当然、今の日本ほど、ペットを取り巻く産業もなかった。日本ではペットビジネスは一大産業で、イヌに洋服を着せている人を見掛けるわよね。この間なんか近所で、イヌに靴を履かせている人がいたわ。それとか、私が気に入ったのはベビーカー。それって、ハハハ……。イヌは歩くものだと思ってたんだけど、そうじゃない? ハハハ、こういったことをあなたはどう思う? それから、どんなふうなの? つまり、イギリスでもイヌは同じように扱われているの? マイケル:ほとんどの場合は違うよ、その、イヌにおめかしさせたり、イヌを自分の子どもとほとんど同じように扱ったり、というように極端な人も、確かにいるとは思うよ。でもたいていの人にとってはそうじゃなくて、イヌはイヌなんだ。イヌには自分の足があって、自分で歩けるんだからね。自分の毛皮もある─それ以上に洋服は必要ないわけさ。イヌは友達だし、伴侶だけど、やっぱりイヌはイヌなんだ。人間の代わりではないよね、もちろん。 アン:そうね、確かに私たちが子どもだったころ、ずとイヌを飼っていたの。でも、すごく、いわば─何というのかしら─ある意味で自由放任主義で飼っていたと思うわ。1匹イヌを飼っていたんだけど、(勝手に)家の外に出たり、家の中に入ってたりしたわ。どちらかというと郊外のような所に住んでいたから、イヌは実際には一日中、自分の思うままに過ごせて、どこかに行っちゃうのよ。私たちが学校に行ってたり、両親が仕事に出ていたりする間は、イヌも単独で一日中、出掛けてるの。私たちが家に帰ってくると気付いたり、両親の車が家に戻ってくるのを見たりしたら、イヌも家に帰ってきたものだったわ。 マイケル:それは、すごくネコ的な行動だと思えるなあ。 アン:ええ、そうね。ほうら、イヌを見くびっていたんでしょう。 マイケル:確かにそのとおりだったよ、うん。 アン:ハハハ。 (訳:鈴木香織)