Volume 6 母国で親しんだあの味 代表的な家庭料理 アン・スレーター:皆さん、こんにちは。9月号のCultural Crossroadsへようこそ。アンです…… マイケル・リース:マイクです。 アン:そして、また皆さんとご一緒できてとてもうれしいです。今月は、誰にとっても身近で、とても重要と思われる話題を、取り上げますよ。食べ物について、中でも家庭料理、お母さんが作ってくれた料理、そして母国の代表的な料理についてです。マイク、あなたにとってはどうかしら、子どものころに食べていた代表的な料理は何? マイケル:ああ、それはいい質問だなあ。ちょっと振り返ってみないと。イギリスはご存じのとおり、必ずしも料理の素晴らしさで有名、というわけじゃないからね。 アン:そうね、ハハハ。 マイケル:ハハハ。そんなわけで、僕が子どものころの一般的なイギリス料理には、どんなものがあったかなあ? チップスや豆がたくさん出たな。 アン:チップス、私たち(アメリカ人)がフレンチフライと呼ぶものよね。 マイケル:君たちが言うところのフレンチフライ、そう。「肉と2種類の野菜料理」と僕たち(イギリス人)がいうものとか…… アン:それは何? マイケル:基本的に、ゆで過ぎた野菜に、マッシュポテトかフライドポテト、それと肉料理。肉は何でもいいんだけど、豚肉、鶏肉、豚肉。 アン:牛肉、豚肉、ええ。 マイケル:特に手の込んだものは何もないんだ。 アン:ええ。 マイケル:最近では、どちらかというと、多分、昔よりもインスタント食品に頼り過ぎていると思うよ。 アン:そうね。 マイケル:缶詰とか電子レンジで温める食べ物とか、そういうものが(食)文化の主流になっていて─僕が子どものころより、ずっとその傾向が強くて、ちょっと寂しいよね。だからイギリスでは、家庭料理という考えそのものがなくなってきていると思うよ。 アン:それに今は本当にたくさんのものがあるものね。私たちが子どもだったころ、アメリカに登場した画期的な新しいものの一つが、テレビディナーだったのを覚えてるわ。 マイケル:うん。 アン:それから休日、例えば感謝祭には、もちろん七面鳥があったわね─お決まりのメニューでしょう?─七面鳥にパンプキンパイ…… マイケル:そうだね。 アン:……マッシュポテトにクランベリー(ソース)、その他もろもろ。クリスマスもまた七面鳥。 マイケル:だけど僕にとって、毎週日曜日は、家でごちそうを食べる、大切な日だったな、お昼はサンデーローストなんだ。ローストビーフにヨークシャー・プディングを添えて─プディングと呼ぶけど、プディングというのはイングランドでは普通、デザートのことなんだけど、実際にそれはデザートじゃないんだ。ヨークシャー・プディングは、どうやって、何でできてるのかすらよくわからないんだけど、小麦粉とかそんなようなものかな─野菜も一緒に(食べるんだ)。家族が集うときの、大切な食事だったよ。 (訳:鈴木香織)