Volume 4 国民が夢中になるスポーツ 英米の国民的スポーツ アン・スレーター:皆さん、こんにちは、7月号のCultural Crossroadsへようこそ。アンです。 マイケル・リース:マイクです。こんにちは。 アン:また皆さんとご一緒できて、とてもうれしいです。今月のトピックはスポーツです。まずはクリケットの話題から。 マイケル:おっと、そうなんだ、クリケットね。 アン:いかにもイングランド、という感じのスポーツよね。 マイケル:そうだね。典型的なイングランドのスポーツだ。イングランドのスポーツというとき、覚えておかなきゃいけないのは、ご存じのとおり、それ自体はイギリス全体のスポーツではないということなんだ。なぜなら、イギリスは、とても複雑だけどイギリスというのは、幾つかの国から成り立っているからね。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド、それと小さな島が幾つか。でも確かに、クリケット自体はすごくイングランド的なスポーツだ。 アン:ええ、面白いわね、だって、アメリカでは当たり前だけど、全然人気がないんだもの。アメリカ人はクリケットをしないと思われてるけど、それは違うのよね。今では、アメリカ中でプレーされているの。それに面白いのは、知ってのとおりアメリカは移民の国だから、インドやパキスタンなどから来た人たちが、アメリカでもクリケットをするのよ。だから確かにクリケットは人気があるんだけど、その程度が全然…… マイケル:そうだね、当然だよ。 アン:当然、そう、イングランドやほかの幾つかの国ほどではないのよ。それで思うんだけど、クリケットにそれほど詳しくない人の多くが、クリケットを不可解に感じているんじゃないかしら。「どうプレーするんだろう?」という点で。 マイケル:初めてクリケットを見に来たら、あまり観戦向きのスポーツじゃないと思うはずさ。長くてゆっくりしたゲームだからね。11人編成のチーム2つがピッチで対戦するんだけど、ピッチは基本的に長方形で─それが主なフィールドなんだ。長方形のそれぞれの端にベイルがあって……というより、むしろウィケットかな。重要なのは、投手、つまりボールを投げる人がそのウィケットに当てようとするんだ、ウィケットを倒そうとして、それによって基本的にバッターがアウトになるんだよね。いいかい、ここからすごくややこしくなるよ。野球と違ってバッターが2人いてね、当然だけど、バットとボールを使うにしても別の競技なんだよね。もうわからなくなっちゃった? だって僕、これは…… アン:ハハハ、私が言ったとおり、複雑そうよね。(実際は)そうじゃないんでしょうけど。それから面白いのは、アメリカで(クリケットと)同じようなものは何かって考えると、みんなが夢中になる国民的スポーツは何かというと、(アメリカン)フットボールじゃないかしら。たぶん、イングランドにおけるクリケットと同じように、みんなを結束させるスポーツというと、そうじゃないかと思うんだけど…… マイケル:そうだね、でも正直に言うと、イギリスでアメリカンフットボールに相当するスポーツというと、実際のところ、サッカーじゃないかな。サッカーこそ、ナンバーワンのスポーツだと思う。クリケットもすごく人気があって、日曜によく試合が行われるんだ。日曜のスポーツで、のんびりとした夏向きのスポーツで、だけどサッカーには、みんな一年中夢中なんだよね。 アン:そうね、実際、サッカーは世界で一番人気のあるスポーツだと思うわ。 マイケル:ああ、今や想像に難くないね。 アン:ええ、ええ。 (訳:鈴木香織)