Volume 2 働くということ 大好きになれる仕事を見つける マイケル:二つの(仕事)文化の具体的な違いについて考えてみると、病気休暇については、日本ではたいていの場合、病気になったら、(病気による)休みは年次休暇から引かれると思う。アメリカではそんなことあるの? アン:私の知っている限りではそうじゃないわね。でも、ほら、私はもう長い間アメリカで働いていないから、わからないわ。私が働いていた時は、病気休暇と年次休暇は別々だったと思う。何日か病気休暇をもらえて、休暇もある程度もらえたわ。 マイケル:そうだよね、イギリスでもそうだった。僕がイギリスで働いていた時は、2週間か3週間か忘れたけど年次休暇に加えて、9日間の病気休暇があったよ。 アン:面白いのは、その一方で、日本の労働環境は従業員にすごく親切な面があって、それが産休制度なの。とても寛大な─しかもその産休の後に1年間(休みを)取れて、幾らか減らされた給料、普段のお給料の何割かにはなるけど、それでもなお仕事を確保できるのよ。アメリカではそういう環境はとても珍しいし、もちろん、日本みたいに、いわば政府に義務付けられたものではないと思うわ、私の理解するところではね。 マイケル:そうなんだ。 アン:ええ。さあ、あなたはどう思う、イギリスか東京、それともアメリカのいずれかで働くとしたら、どこにする? マイケル:うーん、すごい質問だね。ハハハ。いやあ、わからないよ。だって、それぞれに利点があるし、もちろん欠点もある。だけど当然ながら、仕事に関して、全体として一番大切なのは、仕事を楽しまなきゃならない、ということだよね。ウィンストン・チャーチルだったと思うけど、好きな仕事を手に入れたら、人生のうち二度と働くことはない、って言ったそうだよ。 アン:興味深いわね。実は、それで思い出したんだけど、ピカソだったと思うけど、休暇を取ったことがないって言っていたんですって。休暇を取らなかった理由は、こんなに人生を楽しんでいるのに、休暇から何を得ようというんだろう?って。だから、そこがポイントなのよね。 マイケル:皆さん、それが秘訣ですよ。つまり、情熱が持てて、愛せる仕事を見つけるということだね。 アン:そんな元気の出るようなコメントで(締めくくるとして)、次回ご一緒できることを楽しみにしています。 マイケル:そのとおり。またお会いしましょう。 アン:さようなら。 マイケル:お元気で。さようなら。 (訳:鈴木香織)