Volume 22 お酒の楽しみ方 パブで飲む アン・スレーター:皆さん、こんにちは。今月号のCultural Crossroadsへようこそ。アンです…… マイケル・リース:マイクです。 アン:……とっても気持ちのいい、この5月という季節にご一緒できて、とてもうれしく思います。さて、今月のトピックは、お酒を飲むことについてよ。 マイケル:お酒ね! たくさんのイギリス人の(生活・話題の)中心にある活動だね。 アン:そのとおり、そう聞いているわ! ハハハ…… マイケル:まったくだ、うん。 アン:それに、5月のように、うららかな天気になるときに楽しいことの一つなんじゃないかしら、友達とパブに飲みに行くっていうのは。イングランドでは、そういう感じなの? マイケル:そうだよ、うん。パブはイギリス文化の神髄で、何世紀も前からそうだからね。イギリスの伝統的な生活の中で、最も重要な公共の建物の二つは、教会とパブだった。 アン:何というか……(生活の)範囲をカバーしているわね、ハハハ。 マイケル:かなりね。 アン:ええ。それで、パブって何の略称なの? マイケル:パブリックハウス(酒場)の略だよ。 アン:その意味は? マイケル:みんなが出掛けて行って、一緒に時間を過ごして、おしゃべりをして、情報を仕入れて、くつろいで、ゆっくりするための建物、って意味さ。ところで、アメリカにはパブはあるの? アン:いいえ、パブそのものはないわ、パブとは呼ばれていないという意味でね。 マイケル:なるほど。 アン:ええと、もちろん、街中のバーならあるんだけど。 マイケル:それって、どう違うんだろう。僕にとって、パブというと、たいていは薄暗くて、たばこの煙がたち込めている感じで、もう実際はそうじゃないけどね、屋内の公共の場では、今は喫煙が禁止されているから。でも確かに…… アン:全部のパブで? マイケル:全部のパブで。 アン:そうなの。それはみんな窮屈な感じでしょうね。 マイケル:うん、多分それもあって、ここ数年でパブの数が減っているんだ。でも僕がイングランドで暮らしていたころは、確かに、パブはいつも薄暗くてちょっと煙ったくて、すごく騒がしくて─スロットマシーンは動いてるし、ビリヤードをしてる人なんかもいたり、あちこちで会話をしていて。人がいっぱいいて、すごく友好的で親しみやすい感じの場所だった。全然知らない人とでも、簡単に会話を始められる場所でね─そんなこと、ほかのどこでも絶対しないよ。 アン:男性にも女性にも、同じように人気があるの? マイケル:うーん、そうだな、ごく最近だと明らかにそうだけど、うん、まったく問題ないんだけど、でも、伝統的には、パブというと男の領域だったね。 アン:そうなのね。 マイケル:うん、かつてはね。僕がまだかなり若かったときは確かに、そうだったよ、うん。 アン:(パブとバーでは)お酒(の種類)も違うんじゃないかしら? マイケル:僕は…… アン:話─思ったんだけど、その、例えば、典型的なお酒は何かしら? 中に入って、みんなが、あなたが注文するような典型的なものって何? マイケル:そうだね。僕について言えば、僕はビターな男なんだ。 アン:ハハハ。それって、その、わかったわ。 マイケル:ハハハ。いいかい、僕が……ということじゃなくて。ハハハ。 アン:(あなたがビターな[怒りっぽい]人だとは)知らなかったわ、ハハハ。 マイケル:違うよ、ビターっていうのは、つまり─僕が怒ってるとか、そういった意味じゃないんだ。そうじゃなくて、ビターというのはビールの種類なんだよ。アメリカでは実際、あまり人気がないと思うし、ラガータイプのビールの方がずっと人気のある日本でも、確かに親しまれていない。ビターは僕が思うに、醸造期間が(ラガー)より短いんだ、そして苦いような味がするからビターって呼ばれてるんだ。それと、この種類のビールは冷やして出さないんだよ。 アン:あら、それはすごく面白いわね。それは大きな違いだわ。 マイケル:ものすごい違いだよ。 アン:ものすごい、ね。 (訳:鈴木香織)