Volume 1 テレビ番組事情あれこれ 雰囲気重視? それとも情報重視? アン:テレビについて気付いたもう一つの面白いことは、コマーシャルが違う、という点ね。 マイケル:どう違うと思うの? アン:そうね、例えば、日本の広告では、(アメリカと違って)有名人が出ていることがよくあるわ。 マイケル:そうだね。 アン:それに時々、コマーシャルの間、商品が何なのかさえ、しばらくわからないことがある。それに対してアメリカのコマーシャルは、ずっと、なんていうか、情報伝達型で直接的なのね、そして比較してみせるわけ。例えば「調査によりますと、こちらの商品にはかくかくしかじかの効果がありますが、こちらのにはありません」とかね。だから、もっと事実について直接的で、情報重視のものなの。 マイケル:そこはイギリスと違う点だね、アメリカのコマーシャルは─自社商品と競合商品を比べるけど─イングランドではそういうコマーシャルはない。実際、そうしたら違法になると思うなあ。 アン:そうでしょうね。違法だと思うわ。でも、ハハハ。 マイケル:日本にも、もちろん、そういうコマーシャルはないよね。 アン:そのほかの点で、イギリスのコマーシャルは日本みたいに、いわゆる、もっと雰囲気重視だと思う? マイケル:そうだね、もっと雰囲気を重視してる…… アン:少なくとも、アメリカのものよりは、もっとそうかしらね。 マイケル:……雰囲気を醸し出しているんだ。それとユーモラスな感じのコマーシャルもよくあるよ。そのコマーシャルを覚えてもらって、ひいては商品を覚えやすくするようにね。だからイギリスのコマーシャルはかなり独創的だよ。日本のコマーシャルにも、ものすごく独創的なものがあると思うけどね。 アン:同感だわ。 マイケル:それに、すごくおかしいものもある。 アン:そうね、おかしいわよね。 マイケル:そう、そうなんだ。だから、時々、番組自体よりも、コマーシャルを見る方が楽しいようなときもあるんだ、面白いことにね。 アン:そうよね、日本のコマーシャルはすごく面白いものね。それはともかく、このトピックについてはもっとおしゃべりしたいわ、話すことがたくさんあるもの。 マイケル:話すことが山ほどあるよ。皆、テレビの話は好きだからね。 アン:そうね、でも今日はこの辺で終わりにしておきましょう。次回のトピックも聞いてくださいね。 マイケル:ええ、そうですね。聞いてもらえることを願ってます。 アン:願っています。 マイケル:お元気で。さようなら。 アン:さようなら。 (訳:鈴木香織)