Volume 17 あなたは有名になりたい? セレブに夢中 アン:例えば、アメリカ人は、本当にセレブのことに夢中なのよ。セレブが大好きで、セレブの記事を読みたがるし、セレブが出演する番組は何でも見たがるし、何回結婚したとか、子どもが何人いるとかを聞きたがるの。それはイギリスでも同じだと思う? マイケル:そうだね。 アン:あら本当に? ハハハ。 マイケル:残念ながらね。うん、同じような、ある種の、ほとんどのぞき趣味とも言えるような文化があるね。 アン:そう。 マイケル:有名人の個人的な生活に関する、ありとあらゆる細かい情報を知りたがる文化がね。それが今、イギリスではすごく議論を呼んでる問題なんだ。最近、いわゆる超差し止め命令について、ものすごい騒動が起こっているんだよ。これはつまり、裁判所に行けば、新聞でもどこの誰でも、ある特定のニュースを報道できない、って裁判官に命じてもらうことができるんだ。というのは、ここ数年、イギリスでは多くの報道陣がかなり、何というのかな? アン:ええと、節操のない? マイケル:節操のない、かな? ニュースをすごく強引に追い掛けるからなんだ。ニュースを報道するというより、ニュースをつくっているという感じ。 アン:そのイギリスの超差し止め命令というのは、実際に行使できるのよね? つまり本当に裁判所に…… マイケル:うん。本当にできるよ。 アン:……ニュースが出版されるのを止めてもらえるのよね。でもアメリカでは、それはとても難しいわ。そうするのは、とっても難しい。その理由は、理由の一つは、アメリカでは言論の自由が何といっても重要だから。 マイケル:そうだね。 アン:そうなの。 マイケル:だけどセレブって、その、アン、君は有名になりたい? アン:いいえ、特には。ハハハ。特に願ったことはないわね。あなたは? マイケル:いいや。 アン:違うのね。 マイケル:さっき言ったように、セレブは以前、選ばれた技能での成功の副産物だった。だから、たいていの人の原動力は、その技能において秀でたい、優れたミュージシャンになりたい、優れた俳優になりたい、というもので、セレブというのは単に、それに付いてくるようなものだった。ところが今は、みんなセレブになりたがる、ただそれだけなんだよ。その気持ち自体が独立して(目的になって)るんだ。 アン:本当にそうね。 マイケル:それって、ちょっと残念だよね。 アン:ええ、ちょっと変な目標よね。「素晴らしいピアニストになりたい」とか「すごい作家、あるいはダンサーになりたい」というより、ただ「有名になりたい」というだけなんですもの。代わりに、ただ、「ああ、有名になりたいんです、お願いです」だなんて。ハハハ。「神様、私を有名にしてください」と言っているようなものでしょう? それは変だわ、確かに。 マイケル:おかしいよ。 アン:そうよね。さてと、ここで終わりにしますが、私たちに声を掛けたかったり、何か質問があったりしたら、お気軽にどうぞ。 マイケル:僕らのコーナーをお聞きの皆さんに会える機会を実際に持てて楽しかったです。それは本当に僕たちにとって大切なことなんです、だから…… アン:そうよね。トークショーを聞いてくださってありがとうございました。 マイケル:はい。 アン:これからも、ご一緒できることを楽しみにしています。 マイケル:そうですね。本当にありがとうございました。 (訳:鈴木香織)