Volume 17 あなたは有名になりたい? 有名なことで有名 マイケル・リース:さて、こんにちは。マイケル・リースです。 アン・スレーター:アン・スレーターです。 マイケル:今日はとてもうれしいことに、Cultural Crossroads のライブ版ということでこの会場に来ています。 アン:さらに(EJ創刊)40周年記念祭ということで、この場にいられてとてもうれしく思います。そして皆さんにも来ていただいて、私たちのトークショーを楽しんでいただけるのは本当にうれしいですね。私たちもとても幸せです。 今日のテーマはセレブ、有名人です。まず初めに気になるのは「セレブ」とはどういう意味か、ということね。そう、セレブって何なのかしら。あるいは、例えば、セレブやスターの話をするとき、その2つの違いは何かしら。 マイケル:さあ、どうだろう。ハハハ。 アン:ハハハ。私もこれについてはちょっと頭を悩ませたんだけど、アメリカではスターというと、例えば、映画スター、テレビスター、ロックスター、サッカーのスター(選手)なんかになると思うわ。何らかの才能とか実力があって、それで有名になる人たちね。セレブは、必ずしも才能のある人とは限らないわよね? マイケル:うん、セレブはすごく21世紀的な現象だと思うな。つまり、かつてはスターもセレブもほぼ同じような意味だったんだ。彼らは特別な能力を身に付けて、自分の分野で飛び抜けて優秀だった。有名になること、セレブになることはほとんど、その副産物みたいなものなんだ。でも事情が変わって、今では君の言うように、セレブはあらゆる理由で誕生する。「有名なことで有名」っていう有名なフレーズがあるよね。セレブになるためには、実際に何かに秀でている必要はないんだよ。多分、イギリスでは、その典型的な例がBig Brotherみたいな番組だ。アメリカではBig Brotherは放送されてる? アン:うーん、放送されてないと思うわ。どんな番組なの? マイケル:いいかい、Big Brotherはいわゆるリアリティー番組なんだ。 アン:あら。 マイケル:リアリティー番組は基本的に、カメラを持ち出してきて、それを人に向けて、その人たちが日常生活の中でしていることを記録する番組なんだ。台本も事前の打ち合わせもなくて、ただ生活が展開していくだけ。番組には何人かのグループが出てきて、何人だか忘れたけど多分8~10人の、普通の人たちなんだよ。その辺にいる人たち。 アン:そして、その人たちがセレブになるの? マイケル:そう、それがそうなんだよ。 アン:そうなのね。 マイケル:その人たちが有名になるのさ。(視聴者は)みんなその登場人物たちに、夢中になっちゃうんだ。 アン:なるほどね。それは面白いわ、特別な才能がなくても有名になる例ね。 マイケル:そうなんだよ、それに…… アン:ただ自分である、というだけなのに、それがある意味で才能なのね。 (訳:鈴木香織)