Volume 11 日本のお風呂は素晴らしい! バスタブでリラックス? アン・スレーター:皆さんこんにちは、5月号の Cultural Crossroads へようこそ。アンです。 マイケル・リース:マイクです。こんにちは。 アン:また皆さんとご一緒できて、とてもうれしいです。今月は、たぶんよく話題になるトピックの一つについて話そうと思います…… マイケル:うん。 アン:……それは、お風呂に入ることについてです。 マイケル:そう。お風呂に入ること。 アン:イングランドでは、どうやってお風呂に入るの? 例えば、典型的なのはどんな……? マイケル:そうだね。ハハハ。どう説明しようかな? アン:当然、日本とは違うでしょう。 マイケル:全然違うよ。思うに、イギリスでのお風呂の時間は、イギリス生活において恥ずかしい、と言っていいくらいだと思う面だね。 アン:本当? マイケル:うん。 アン:じゃあ、なぜそうなの? ハハハ。 マイケル:うん、説明するよ。その、イギリスでのバスタイムは、僕にとって本当に心からリラックスできたり、楽しかったりする経験だったためしがないんだ。ただ清潔になるためのものだった。(バスタイムは)その目的でさえ、ちゃんとは果たせるものじゃなかったな。 イギリスで育って、それから(その後)イギリスに住んでいた頃、浸水電熱湯沸かし器って呼んでたものを使って水を温めていたんだ。これは、基本は大きなタンクで、そのタンクの中には、水中に沈められた発熱体があるから、そういう名前なんだ。それでその装置が水を温めるんだけど、その水がお風呂で使える分で、それに、実はそれが家中のすべてのお湯なんだ。だからお風呂にお湯を入れるといつも、半分しかたまってないのにお湯がなくなっちゃうんだよ。それに、ためたお湯は、あっという間にどんどん冷たくなっていく。だからものすごく手早く洗うし、洗い流せないんだ、お湯をもう使い果たしてしまっているからね。 アン:じゃあ、入浴時間はだいたい、どれぐらいだったと思う? 何分ぐらい? マイケル:うーん、いい質問だね。長くて10分、という感じかな。 アン:なるほどね。じゃあゆっくりお湯に漬かるとか、そういったことはなかったわけね。 マイケル:漬かることはなかったね。だから、日本式の入浴を経験した今、イギリス式には絶対戻らないよ。もし万一、イギリスに戻って暮らすようなことがあっても、日本のバスルームを持って行くよ。これは、無しでは暮らしていけないものの一つだね。 アン:そうね、ほら、日本のお風呂にはすごく、儀式的とでもいうような面があると思うわ、アメリカと比べて。つまり清潔になるための手段、これも儀式的な面の一部だけど、それだけじゃなくて、リラックスする手段でもあって、その日を締めくくって、一日の終わりにリラックスした状態になるのよね。 (訳:鈴木香織)